デジタル版ポケカ『Pokemon TCG Live』日本上陸への課題はルールの”歪み”? カナダでβテストを開始

 2月16日、株式会社ポケモンの関連会社で、海外事業を担う「The Pokémon Company International」がポケモンカードのデジタル版にあたる『Pokémon TCG Live』のβテストを開始すると発表した。『Pokémon TCG Live』はポケモンカードをオンラインで楽しめるゲームで、カナダやアメリカなどで2011年から稼働している『Pokemon TCG Online』の続編にあたる作品だ。

 βテストは2月22日から開始されるが、対象地域はカナダに限定される。プレイ可能なデバイスはiOS/Android/PC(Windows/macOS)で、クロスプレイにも対応する。正式版では英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語の6言語に対応すると発表されている。

 ゲーム内で使うカードについては、アナログ版のポケモンカードを購入し、そこに付属するコードを使用して入手できる。また、デイリーミッションのクリア報酬からも入手可能だ。有料コンテンツを廃した、基本的に無料で楽しめるゲームになるようだ。

 気になるのは日本での対応だが、アジアとそれ以外の地域間で存在するポケモンカードのルールの”歪み”が課題になりそうだ。

 アジア地域でポケモンカードの製造・販売を担当しているのは日本法人である株式会社ポケモンだが、それ以外のグローバル地域ではThe Pokémon Company Internationalが担う。そのためか、ポケモンカードもアジア版とグローバル版の2種類が存在する。収録されるカードのイラストや効果はほとんどが一緒だが、仕様が大きく異なる点もあり、2種は別のカードゲームになっているのが実情だ。

 例えば、アジア版とグローバル版ではセットの発売時期や収録されるカードが異なっている。アジア版で先に発売されたセットが、グローバル版ではいくつかまとめられて別名のセットとして発売することもある。ポケモンカードの公認大会では使用できるカードが「レギュレーション」というルールで定められており、発売時期や収録セットによって、公認大会での使用可否が決まるため、発売時期の異なるアジア版とグローバル版ではゲーム環境も異なったものになっている。

 今回βテストを行っている『Pokemon TCG Live』のレギュレーションはグローバル版に準拠するためアジア版とはゲーム環境が異なり、アジア地域のプレイヤーにとっては「別ゲー」となってしまうのだ。

 それだけでなく、アジア版とグローバル版ではカード裏面のデザインが異なっている。アジア版はポケモンボールから光があふれるイラストが描かれ、金色の縁取りがされているが、グローバル版ではイラストや縁のデザインが微妙に異なっている。

 アジア版は過去にカードの裏面のデザインを変更しており、その際に世界共通で統一する計画もあったが、結局それぞれが違う裏面を使用し続けている状態が続いている。カードゲームにおいて裏面のデザインが異なるというのは致命的だ。トランプでジョーカーだけ異なる絵柄のトランプを使っていたら、ババ抜きは成立しない。

 アジア地域向けに『Pokemon TCG Live』が提供されない理由について、日本法人からの公式発表はない。しかし、こうした地域間の”歪み”が原因である可能性は十分に考えられる。アジア圏にもポケモンカードのファンは多く、デジタル版を待ち望む声も多いので、今後に期待したい。

〈Source〉 https://www.pokemon.com/us/pokemon-news/pokemon-tcg-live-makes-its-canadian-debut-in-limited-beta/
https://press.pokemon.com/en/releases/Pokemon-Trading-Card-Game-Live-Limited-Beta-on-Mobile-and-Desktop-Comi

関連記事