『EDENS ZERO Pocket Galaxy』先行プレイレポ。ユーザー体験に寄り添うシステムに注目

 2018年より「週刊少年マガジン」で連載中のマンガ『EDENS ZERO』がゲーム化され、モバイルゲーム『EDENS ZERO Pocket Galaxy』として2月24日にリリースされる。

 今回は、同作を先行試遊する機会があったため、プレイを通じて得たインプレッションなどを紹介していく。世の中にごまんとあるマンガ・アニメを原作としたゲーム作品。そのなかで『EDENS ZERO Pocket Galaxy』は、ただのメディアミックスにとどまらない、気概にあふれたタイトルとなっていた。

真島ヒロ原作の人気マンガをモバイルゲーム化

『EDENS ZERO Pocket Galaxy』EDENS ZERO Pocket Galaxy CM シキ編【エデンズゼロ/ポケギャラ】

 『EDENS ZERO Pocket Galaxy』は、『RAVE』や『FAIRY TAIL』などの作品で知られる漫画家・真島ヒロが『週刊少年マガジン』にて連載中のマンガ『EDENS ZERO』を原作としたモバイルゲームだ。2020年9月にゲーム化プロジェクトが発表され、2021年9月には事前登録もスタートした。2022年2月現在、まもなくのリリースに向けて鋭意開発中。原作ファンから期待が集まっている。

原作で描かれた世界を、圧倒的なグラフィックで再現。そこにはゲームオリジナルの表現も

 『EDENS ZERO Pocket Galaxy』は、アニメ第1話の始まりを彷彿とさせるムービーからスタートする。満天の星空の下にいるのは、主人公・シキ(幼少期)と、育ての親であるジギー、親友のマイケルの3人だ。原作のファンにとっては、マンガ・アニメで見たお馴染みのカットであるため、懐かしさを覚える人もいるだろう。本作のメインストーリーは、原作で紡がれた物語を追体験できる点が特徴となっている。

 まず驚かされたのは、グラフィックのクオリティだ。モバイルゲームでありながら、アニメと見比べてもほとんど遜色のない映像がそこにはあった。特に広大な宇宙や、空に打ち上がる花火といった景色の美しさは圧巻。『EDENS ZERO Pocket Galaxy』が細部にまでこだわり抜いて制作されていることを期待させるオープニングムービーだった。

 一方で、アニメとの最も大きな違いは、時間的な制約に縛られていない点にある。一般的なTVアニメは、30分番組ならOP・EDを含めた23分ほどの枠のなかで起承転結や見せ場を作り、視聴者を楽しませなければならない。けれど、プレイヤーが自由なタイミングで中断・再開できるゲームであれば、その時間の枠に縛られることのない見せ方が可能だ。『EDENS ZERO Pocket Galaxy』には、TVアニメにない、かつできなかったであろう詳細なシナリオ描写、映像表現が散りばめられていた。ストーリーのネタバレにもつながるため、ここでは具体的に記載しないが、ぜひ実際のプレイでゲームならではの世界を体感してほしい。すでに『EDENS ZERO』を読んだ・見たことがある人は両者の違いを、初めて触れた人はなぜ同作が人気作品であるのかを、『EDENS ZERO Pocket Galaxy』からは感じ取れるはずだ。

コンセプトは「爽快感のあるアクション」。バトルはプレイヤーを選ばない設計に

 オープニングのイベントシーンが終わると、バトルパートのチュートリアルがスタートする。「見下ろし型アクションRPG」と銘打ってリリースされる『EDENS ZERO Pocket Galaxy』は、その肩書に違わない、モバイルゲームらしからぬ本格的なアクションが魅力のタイトルだった。

 バトルマップの移動は、ソフトウェア上のバーチャルパッドでおこなう。バーチャルパッドは画面の左半分にタッチ・ホールドすればどこにでも表示され、かつ感度もプレイヤーの感覚に近いため、操作にストレスを感じることはなかった。モバイルプラットフォームでのアクションでは、移動にかかる操作感の悪さが目立つ作品も多い。この点において、『EDENS ZERO Pocket Galaxy』は、内容に没頭できるだけのUIを備えていることが好印象だった。

 敵への攻撃は、画面右側の「ATTACK」ボタンをタップすることでおこなう。敵と離れていても自動的に接近して攻撃してくれるため、アクションが苦手な人でも問題なくプレイが可能だ。逆に本格的なアクションを楽しみたい人は、バーチャルパッドで自由に移動し、タイミングを見計らって攻撃することもできる。近づいている最中にも敵が放ってくる攻撃をかわしながら、適切なタイミングで「ATTACK」ボタンをタップすることで、被ダメージを抑えつつ、連続KOのコンボも効率的につなげられる。

 バトル全体のインプレッションとしては、それぞれの敵とじっくり向き合うものではなく、次々と現れる敵をバッサバッサと倒していくもの。必殺技使用時のド派手な演出も込みで、爽快感あふれるゲーム体験が可能な作品となっている。

充実の着せかえ要素。一部衣装は原作・真島ヒロ氏の新規描き下ろし

 また、キャラクターのカスタマイズ性も、『EDENS ZERO Pocket Galaxy』の魅力だ。本作では、頭装備、胴装備、腰装備、手装備、足装備、小物コスメに至るまで、キャラクターの見た目を幅広く変更できる。各衣装のコンセプトやデザインは、原作の真島ヒロ氏の監修・描き下ろしによるものもあるそうだ。同氏は先行試遊後のインタビューにおいて、「自身がゲーム好きだからこそ、好きな要素を盛り込ませてもらった。コスプレ性の高いものでは、ギャングやカウガール、メイド、SFボディスーツ、中世ファンタジー風の甲冑などを直接描き下ろしている」と語った。長期的には、「各プレイヤーがデザインした衣装でコンテストを開き、優秀賞を実際にゲームの中に取り入れる」といったような、双方向的な取り組みのアイディアもあるという。単純に原作をゲーム化した作品という位置づけではなく、また新たな世界をファンに楽しんでもらうという工夫が随所に盛り込まれていると感じた。

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