VTuberのゲーム大会実況、音楽オーディションや占いまで……ライブ配信で新たに生まれるコミュニケーションとは

 新型コロナウイルスの流行で、人と直接会うことが難しい状況となったなか、コミュニケーションの新たな形を提案し、圧倒的成長を遂げているライブ配信市場。一般的にライブ配信といえば、雑談や歌の配信をイメージする方も多いかもしれないが、最近では、イベントの中継やオーディション、占いなどコンテンツの多様化が進んでいる。今回は、著しい発展を遂げる本市場において、いまどのようなコミュニケーションが生まれているのか、ライブ配信アプリ「17LIVE(ワンセブンライブ)」をもとに考察する。

 最近のライブ配信市場に見られる特徴として、「リスナーとライバー」、「プロとライバー」、「リスナーとリスナー」の3つのコミュニケーションが増加傾向にあると感じられる。順番に見ていこう。

占い師ライバー配信の様子【明蘭🔮💫meiran】

 まず最初の「リスナーとライバー」は、ライバー(ライブ配信者)が一方的に発信する従来のスタイルではなく、リスナー(ライブ配信視聴者)とやりとりをすることで成立するコンテンツのこと。その代表として挙げられるのが“占い”だ。コロナウイルスの流行で、特にオンラインの占いサービスは勢いを増しており、ライブ配信においてもその傾向が見られている。「17LIVE」では今年の1月8〜10日の3日間、例年はオフラインで開催されていた人気イベント『占いフェス』とのコラボレーションが行われた。今年は完全オンラインのみでの開催となるも、人気占い師ライバーが登場し、大いに盛り上がりを見せた。

 対面での鑑定が難しくなった中で、オンラインサービスの人気が高まるのはごく自然なことだ。スマートフォン1台で利用できるのはもちろんだが、特にライブ配信での占いに特徴的なのは、占い師の表情を見ながら鑑定が受けられることだ。メールや電話占いと違ってライバーの多くが顔出しをしているので、利用者も安心して依頼ができる。そしてほとんどの場合、鑑定料はアプリ内通貨を通じたギフティングでの支払いとなるため、個人間で金銭のやりとりが発生しないのもメリットだ。占いのように相互コミュニケーションで成り立つサービスとは特に親和性が高く、そのような配信が増加するのもうなずける。

『音楽メイキング配信 オーディション 2022』

 次に挙げた「プロとライバー」のコミュニケーションの代表例が、オーディションだ。昨年2月には、「17LIVE」にて倖田來未を審査員に迎えた『次世代シンガーオーディション』が開催され、優勝者には、プロの音楽家によるオリジナル楽曲に、宣伝付きでの配信による楽曲リリース権が与えられた。また現在『音楽メイキング配信 オーディション 2022』が開催されており、挑戦者は楽曲のメイキングを配信し、指定のプラットフォームに登録するだけで参加完了となる。最優秀賞に選ばれた方は、第一線で活躍されている音楽プロデューサーより、直接楽曲のプロデュースを受けることができる。複雑な手続きが必要なく、簡単に応募できるのが魅力だ。

 倖田來未の事例のように、普通に生活していたら接点のないような、そのジャンルのプロとライバーとのコミュニケーションが生まれていることは、最近のライブ配信市場に印象的な傾向だ。市場の成長もあり、多くの人の間でルーキー発掘の場としての認知が高まっていることも一因かもしれない。

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