「4回転アクセル」だけじゃない! 織田信成・中野友加里のYouTubeから学ぶフィギュアスケートのジャンプ
いよいよ2月4日より開催される北京オリンピック。フィギュアスケートでは、ソチ・平昌と2大会連続金メダルを獲得している羽生結弦選手をはじめ、宇野昌磨選手、坂本花織選手などが出場する。採点競技であるフィギュアスケートは、いくつもの要素の点数が積み重なった合計得点により順位が決定する。今回は元選手のYouTubeと共に、基本的なジャンプの点数について紹介したい。
フィギュアスケートは、ショートプログラムとフリープログラムの合計点で順位が決定。ショート・フリーそれぞれの得点は技術点と演技構成点からなる。中でも、技術点は基礎点とGOE(出来栄え点)から決定。GOEはプラス5点からマイナス5点まで評価がある。出来が良い要素には大きく加点がつくが、質が低いと減点されてしまう。フィギュアスケートは、主にジャンプ・スピン・ステップ・コレオシークエンス(フリーのみ)で構成。これら全ての要素に基礎点が決まっており、出来栄えの良し悪しがGOEで評価される。近年、テレビでの中継では画面上に直近に行った要素の基礎点と出来栄え点の速報値が表示され、行った要素に対し、何点ついたのかが分かりやすくなった。しかし、なぜ今加点されたのか、減点されたのかはフィギュアスケートの知識がないと分かりにくいのではないだろうか。
この疑問を解説しているのが、『織田信成の“滑るけどスベらない”チャンネル』にアップロードされた「【フィギュア実演解説】ジャンブの加点減点の見分け方は実は超シンプル!」である。織田信成は2010年のバンクーバーオリンピックで7位入賞した選手。昨年YouTubeチャンネルを開設した。アマチュア引退後はプロスケーターとしてアイスショーに出演。テレビでは、試合の解説からバラエティ番組まで幅広く活躍している。
織田によると、加点されるジャンプは「ジャンプが詰まらない・幅がある・高さがある・自然な入り」とのこと。逆に減点されるのは「氷を引っかくような着氷・姿勢が悪い・エッジの間違い・オーバーターン・ステップアウト・手をつく」ジャンプ。具体的には氷を引っかくような着氷は-1〜-3の減点、オーバーターン(着氷した後にターンしてしまうこと)・ステップアウト(片脚で着氷した後にもう片方の脚がついてしまうこと)は-2〜-3の減点、手をつくのは、片手で-1、両手で-2〜-3の減点となる。どれも織田が実際に滑って実演してくれているので非常に分かりやすい。
さらに、減点の対象となってしまう回転不足とフリップ・ルッツの踏切違反についても解説。フィギュアスケートはクリーンなジャンプと認定されるには多くの壁を乗り越えなくてはならない。織田は「減点されないジャンプを跳ぶことが大事」と話す。北京オリンピックでは、ジャンプの質に着目するとよりフィギュアが楽しく観られるかもしれない。