USB PD、MagSafe、Power IQ……結局iPhoneの充電器、どれを選べばいい?
・ワイヤレス充電に対応した製品も
iPhoneはUSB PDに対応したiPhone 8以降、ワイヤレス(非接触)充電にも対応した。充電規格はWPCが策定した電磁誘導方式の「Qi(チー)」。Qiは本来の規格上では出力が5Wと小電力向けだが、アップルは独自に最大7.5Wまで対応させており、MFi認定を受けた充電器であれば7.5Wでの高速充電が可能。その後Qi規格が15Wまでの中電力供給に対応したため、これを採用した高速充電をサポートしたのがiPhone 12からだ(ただしiPhone 12 miniおよびiPhone 13 miniでは12Wまで)。iPhone 12からは非接触充電ポートを「MagSafe」と名付けて、磁力で固定するタイプの充電器を販売しているが、これは15Wでの供給でシビアな位置合わせが必要なため、磁力で確実に充電できるポジションを取れるようにしているようだ。
非接触充電は有線充電と比べると送電ロスが大きいため、同じW数で比較すると充電速度は遅い。また、充電器の上での位置合わせもややシビアだ。しかしコネクターが劣化しやすいLightningポートと異なり、ケーブル周りのトラブルは滅多に起きないし、MagSafeなら最適な位置で充電できる。ということでMagSafeに対応したiPhone 12以降の機種であれば、非接触充電は積極的におすすめできるのだ。
Apple純正のMagSafe充電器。充電パッドとケーブルだけなので、別途USB Type-C(USB PD)対応の充電器が必要。最大15Wでの充電が可能だが、現在のところ15Wで出力できるのはアップル純正の20W電源アダプターのみで、その他の充電器だと10〜12W程度になってしまうようだ。
MagSafe認証を正式に取得しているサードパーティ製の充電スタンド。MagSafeによりiPhone(15W)に加えてApple WatchとAirPodsを同時に充電できる(Apple WatchとAirPodsケースは5W充電)。Apple純正のデュアル充電パッドはMagSafeとApple Watchの2つに対応で価格は変わらないので、AirPodsを持っているならこちらがお買い得。40Wの専用電源が付属する。なお、同様の製品は多数販売されているが、正式にMagSafe認証を取っているのは本製品のみとなっている。
8-in-1と非常に多機能なスタンド型の非接触充電器。Ankerは公式にMagSafe認証を取得していないためか、「MagGo」というブランド名でMagSafe互換非接触充電を展開している。球体に近いユニークな形状をしており、前面に磁力でMagSafe対応iPhoneが固定できる非接触充電パッド(最大7.5W)を、背面に100Vコンセントx3、USB Type Ax2、USB Type-Cx2ポートを備えており、USB Type-CポートはUSB PD(65W)でノートPCへの給電もできる。高速充電には対応していないが、机の上の充電ポートをスッキリさせる意味では魅力的な製品だ。