中国の「電磁砲」利用目的が明かされる? 国営軍事番組で発射シーンを初公開
中国軍が今回公開した電磁砲を軍事利用するかについては明らかになっていないが、中国のメディアによれば将来的には軍事用途ではなく、山火事や森林火災が発生した際に消火剤を充填した消火弾を発射するなどといった災害支援の目的で用いられることが想定されるという。
今回放送された軍事番組のテーマも山岳レスキューであり、山火事を素早く食い止める最新「兵器」としてこの電磁砲が紹介された。瞬間的に大量の電力が必要となり、大きな電源装置が欠かせないといったネックを抱える一方で、発射時に大きな音や激しい光、煙が発生しないといった電磁砲が持つメリットは、災害救助を始め軍事分野以外でも大いに効果を発揮することだろう。最先端の技術を是非平和的な分野で積極的に活用してもらいたい。
ところで、コイルガンとレールガンでは、レールガンの方が高い技術力が求められるという。中国ではレールガンの技術開発も進んでいるとの情報があるようだが、これまで明らかにされていない。また、軍事利用よりもロケットに代わる衛生発射、宇宙ステーションへの物資供給といった宇宙分野での活用を想定しての技術研究にシフトしているとの情報もある。ただ、いずれにせよ大きな課題になっているのが、瞬間的に必要となる大きな電力や高負荷状態における防護性などであり、これらの課題がクリアできないことには実用化は難しそうだ。