ドンキからチューナー非搭載、約2万円のテレビが登場 いま「テレビ」に求められているものとは?

 昨今の若年層はテレビ=地上波番組をほとんど視聴せず、スマホやタブレットでコンテンツを楽しむことがメインといわれている。かといってテレビがなければそれはそれで不便なこともあるため、仕方なくにテレビを導入するといった声も少なくはない。このトレンドを解決するなら、チューナーレステレビが生まれてくるのは自然な流れともとれるが、家族で暮らしているか一人で暮らしているかで、需要そのものは変わってくるだろう。

 しかし、これから数年後のエンタメの未来を考えた時、リビングに置くための大型ディスプレイとしての選択肢に、地上波放送のないテレビは視聴者にとって新しい選択肢になり得るだろう。Netflixには数年かかっても見きれないほどのドラマや映画があり、テレビ番組がなくともお茶の間のエンタメ視聴は充分まかなえるのが実情だ。また、近年は地上波番組が配信サービスに降りてくることも少なくない。チューナーレステレビが選択肢に入ることで、「地上波放送に何を求めるのか」を見直すきっかけにもなるかもしれない。

 ちなみに、地上波放送の視聴が不要でディスプレイ目的だけを考えるなら、PC用のディスプレイをテレビ代わりに使うという選択肢もある。だがこの方法を使う場合、配信サービスを見るためにChromecastやFire TV Stick、あるいはPS4やPC接続などの外部デバイスが必要となる。ほかにも、テレビとして使うためのリモコンがなかったり、端子類が不足したりするが、それらをクリアすればディスプレイのテレビ化は可能だ。32インチを超えるような大型ディスプレイでも手頃な値段で販売されているものがあるため、あえてそちらを選ぶのも手だろう。

 テレビの映らないテレビ、というと禅問答のようだが、それほどテレビという言葉が一般化している証左でもあるのだろう。ユーザーがモノとしてのテレビに何を求め、体験としてのテレビに何を求めているか。メーカーやスポンサーは見直す時が来ているのかもしれない。少なくとも、筆者が次にテレビを買い換えるなら、チューナーレスを選ぶだろう。

(画像=ドン・キホーテより)

(Source)
https://ppih.co.jp/news/pdf/NL211206_tunerlessTV.pdf
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1224988.html
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1112452.html

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