巨大すぎる銃弾の威力とは? 銃の恐ろしさを改めて学べるYouTuberが面白い
多種多様な銃を、実弾を使用しながら紹介するアメリカのYouTubeチャンネル「Kentucky Ballistics」。チャンネル登録者数は224万人で、銃が好きな視聴者を中心に人気を博している。動画はどれも日本人にとっては目新しいものばかりだか、なかでも1つ興味深い企画があったので紹介したい。それは「700 NITRO EXPRESS!!! (WORLD’S BIGGEST ELEPHANT GUN)」という動画だ。
実弾を身をもって紹介するKentucky Ballisticsの様子
「700ニトロエクスプレス弾」という、規格外の大きさの弾丸を使うのが本動画の趣旨。700ニトロエクスプレス弾とは、英国のHolland & Hollands社が開発したハンター用のライフル弾。とにかく弾丸が大きすぎる。
使用する銃は、水平2連ダブルバレルのエレファントライフル。象撃ち用のライフルで、銃身の内径はなんと70口径。
700ニトロエクスプレス弾は、ライフル弾というよりは小さな”砲弾”に近い。700ニトロエクスプレス弾の薬莢の長さは3.5インチ(約8.8cm)で、重さは1,000グレイン(約64.7g)もある。50口径のスナイパーライフル弾(12.7×99mm NATO弾、50BMG)の薬莢長が3.91インチ(約9.9cm)なので、狩猟用のライフル弾にしては相当大きいことがわかる。
また700ニトロエクスプレス弾は製造数が少なく、1発100ドル(約11,372円)と弾丸の値段は高い。
動画内では、700ニトロエクスプレス弾を実射して威力を検証している。水の入ったタンクに向けて、目視20mほどの距離から発射。かなり大きな銃声が響き渡り、弾丸は見事タンクに命中。タンクは後方に吹き飛び、内部で爆発したように中の水は飛散した。タンクの水が多方向に飛び散っていることから、着弾後の威力の大きさがうかがえる。
ただし銃が重たいせいか、発射直前まで銃口を地面に下げており、持ち上げてから1秒程度で照準を合わせていた。また威力に比例して反動も大きく、細心の注意を払って撃たないと大きな怪我をしかねないだろう。
YouTubeチャンネル「Kentucky Ballistics」では、このような銃について紹介する動画を多く投稿している。これまでの人気動画の1つに「Desert Eagle Torture Test」がある。公開日は2019年10月31日で、再生回数は驚異の1,151万回を誇る。
デザートイーグルを水に浸したり、泥に埋めたりしたあとに発射できるのか、というのが動画の趣旨。このような銃を使ったユニークな企画が、多くの視聴者を虜にしている。
また、今年に入って爆発的に伸びた動画の1つに「My 50 Cal Exploded」がある。公開日は2021年4月30日で、再生回数はなんと約2,471万回。50口径のライフル「Serbu RN-50」を実射している最中に、銃が暴発して銃弾が体を貫通。眼窩の骨を3カ所骨折するなどの重症を負った。その様子について、約20分にわたり動画で説明している。幸いにも現在は回復が進んでいるものの、YouTubeでエンタメとして使われがちな銃の恐ろしさを、あらためて私たちに伝えてくれる動画となった。
動画投稿者は英語で話しているものの、大半の企画は言語がわからなくても十分に楽しめるようになっている。銃を使った企画は、国内の動画ではなかなかお目にかかれない。特にFPSゲーム愛好者にとって、ゲーム内で使っている銃が実際に動画に出てくるのは、とても興味深いのではないだろうか。