テキストより音声がメイン? 日欧で大きく異なる“スマホ&連絡ツールの実態”

音声メッセージの普及度に見るカルチャーの違い

 たしかに、日本には「静かにするべき場所」が多いし、日本人は自分の声が公共の場で目立つことを恥ずかしがる。こちらに来て数カ国旅をしてきたが、電車内で悠々と電話をしている人々をよく見かけた。彼らにとっては、日本人こそ「面倒なのに長文をわざわざ書く変わった人たち」なのかもしれない。

 ただ筆者個人的には、内容が長いのであればあるほど「文章で送って欲しい」と思ってしまう。なぜなら、彼らは頭の中で話すことをまとめる前に音声メッセージに録音し始めるので、録音がひたすらに長くなり、要点もわかりにくい。また重要なことを聞き逃したりすると、録音を何度も聴き直さなければならないのも面倒だ。メッセージを受け取る側のことを考えたら文章のほうがいいのでは、というのは、あくまで日本人的意見なのだろうか。

 こうしたことは文化や経済、価値観の違いから生じるギャップであって、どちらが良くてどちらが悪いなどはない。メッセージアプリの機能一つとっても、さまざまな要因が「用途」や「使用頻度」などに大きな影響を与えているはずだ。自分たちが日々を支えるツールやサービスに求める「当たり前」が、“いったいどこで決められ・定着したのか”を考えてみれば、今まで想像つかなかった視点を得られるかもしれない。

(トップ画像は筆者撮影)

(参考文献)
・https://www.soumu.go.jp/main_content/000692932.pdf
・https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2111/11/news121.html
・https://www.statista.com/statistics/632599/smartphone-market-share-by-vendor-in-europe/
・https://iphone-mania.jp/news-364037/
・https://kakakumag.com/pc-smartphone/?id=17284
・https://www.excite.co.jp/news/article/Searchina_20161201053/

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