ついにApple製品を自分で修理できるように 「Self Service Repair」で起こる変化や問題点

「Self Service Repair」で起こる変化や問題点

依然として修理市場を支配

 「修理する権利」を擁護するために独自の修理マニュアルの作成と普及を手がける団体であるiFixitも17日、Self Service Repairに関する声明を発表した。同団体は、Appleが「修理する権利」を部分的にも認めた同サービスを高く評価している。その一方で、同サービスによっても解消されない2つの問題点を指摘している。

 1つめの問題点は、独立系修理プロバイダプログラムに関する問題である。同プログラムは、Apple製品の保証対象外修理サービスを提供したい企業をAppleが認証するものである。同プログラムに認証された企業は、例えばiPhone 12のディスプレイの交換を270ドルで提供できる。同様の部品交換を正規の方法で実施した場合にも、270ドルを要する。こうした現状では、同プログラム認証企業は修理価格によって正規の修理サービスと差別化できない。

 2つめの問題は、Appleが交換部品の供給をコントロールして修理可能期間を決定できることだ。この問題に関しては、例えばフランスはスマホの修理サービスを最低5年間提供するように義務づけている。

 以上のようにAppleは依然として同社製品の修理に関して大きな支配力を有しているので、iFixitは今後も「修理する権利」をめぐって戦い続けると宣言している。

 Self Service Repairに関しては、実際にどのようなユーザが利用できるのか、さらにはどのようなメリットがあるのか、といったことが現時点ではわからないので同サービスの良し悪しを判断できない。それゆえ、同サービスが日本で始まった時に、その真価を精査する必要があるだろう。

トップ画像参照:Apple Newsroom「Apple announces Self Service Repair」より画像を引用

〈Source〉
https://www.apple.com/newsroom/2021/11/apple-announces-self-service-repair/
https://9to5mac.com/2021/11/17/comment-another-apple-pr-fail/
https://www.ifixit.com/News/55370/apple-diy-repair-program-parts-tools-guides-software#

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