前田公輝が取り憑かれた芝居の魅力 「高揚感は何物にも代えられない」 

前田公輝が取り憑かれた芝居の魅力

 ABEMA(アベマ)にて、野村周平が主演を務めるABEMAオリジナルドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』が放送中だ。本作で、サイファークリエーション社長・藤村(三浦翔平)の優秀な右腕・松本尊役を演じる前田公輝に、撮影秘話や作品の見どころなどについて聞いた。

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――今回、話題作『会社は学校じゃねぇんだよ』の続編、『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』への出演が決まった際、どのような気持ちでしたか?

前田公輝(以後、前田):前作のテンポ感と藤井道人監督の世界観がすごい好きだったので、その同じ延長線上、前作の世界観と結合した時間で今回自分も演じられることが嬉しかったです。

――サイファークリエーション社長・藤村のキレ者な側近・松本尊役を演じられるにあたって、役作りで意識したことなどはありますか。

前田:前作で言うところの早乙女太一さん演じる火高と立ち位置は似通っていると思っていましたし、そのことについて衣装合わせの時に藤井監督ともお話をしました。なので前作を観返す時には火高を特に意識しながら観ていましたね。ただ、僕が演じる松本は藤村が世の中に知れ渡って浸透してから彼の会社に合流していると思うので、その出会い方や入り口は火高とは全然違うんだろうなと思っています。

――前田さんは松本をどんな人間だと思いますか?

前田:松本は本当にビジネスライクで、仕事とプライベートを極端に分けて損している人間だと思います。僕が身を置いている芸能の世界は生活リズムも感覚もサラリーマンから一番離れたところにある仕事だと思いますし、心で感じたままに仕事をするという価値観は松本の仕事観にはないかなと思います。あとは上司として人に注意したり叱ったりすることもないので僕自身との共通点はないですが、ただ、僕の知らない世界を知っている部分は憧れます。

――そう言えば、松本尊のビジュアルが『HiGH&LOW』(以後、『ハイロー』)シリーズで演じられた轟洋介ともリンクするところがあったように思います。

前田:第1話の居酒屋でのシーンに一緒に出演していたYouTuberの方々が『ハイロー』ファンで、ありがたいことに推しが轟だったらしく、松本のビジュアルをとても喜んでくれました。自信をもらいましたね(笑)。轟も松本もクールな雰囲気は似通っている部分があるのかなと思います。

――その他に今回の現場や撮影中に印象的だったことはありましたか?

前田:一番嬉しかったのは僕自身が前作のファンだからこそ、撮影場所を通して聖地巡礼のような感覚を味わえたことです。サイファークリエーションの歴史が刻まれた場所で撮影が行われたので、気分は高まりましたね。本当に稼働しているオフィスを使うことも多かったので、スタジオとはまた違う現場の空気がありました。

――前田さんは藤井道人監督とは古くからのお付き合いがあると伺っています。

前田:そうなんです、実は藤井監督の助監督時代からご一緒したことがあって。そこから映画『悪魔』、『向かいのバズる家族』(日本テレビ系)、映画『ヤクザと家族 The Family』にも呼んでいただいて、ありがたいことに長く楽しい時間をご一緒させていただいています。

――キャリアが長いからこその出会い、再会は素敵ですね。そんな前田さんにとって転機となった作品は何だと思いますか?

前田:いくつか転機となった作品があることがまずありがたい限りですが、大きく自分の人生が変わった原点はやはり『天才てれびくんMAX』(NHK Eテレ)ですね。周りからの視線やリアクションが変わったのを肌で実感して、そこからこの世界や仕事に魅了されて今に至るという感じです。そして、今『天才てれびくん』にドラマの準レギュラーとして帰ってこられて、現役のてれび戦士たちのお兄さん的な立ち位置をやらせていただけているのは本当に感慨深いです。

――子役としてデビューし、ずっとお芝居をされてきて、お芝居の面白さや魅力はどんなところにあると思いますか。

前田:その時々で毎回変わるんですけど、今は芝居ほどその場でしか生まれない“瞬間”のものってないなぁとつくづく思います。結局一人で稽古していても現場に入ると全く違うものになることもありますし、芝居って今の瞬間をどれだけ輝かせられるか、そのフィルターを通して切り取った瞬間にどれだけ集中力、エネルギーを注げるかだと思うんです。役柄が変わる度に常に他ジャンルの競技をしている感覚になり、その達成感や集中力が研ぎ澄まされた瞬間の高揚感は何物にも代えがたいです。台本を読んで自分自身も成長しますし、言葉を自分のものにしないと台詞が吐けないので、その役の人生を味わった感覚になれて、常に旅をさせてもらっている気持ちになります。

――前田さんと言えば、何と言っても来年2022年春放送の朝ドラ『ちむどんどん』(NHK総合)への出演も決まっており、どんどんキャリアや演じる役どころを広げています。今後演じられたい役柄や目標はありますでしょうか?

前田:ずっと標準語以外を使って演じてみたいという想いがあったので、『ちむどんどん』は沖縄が舞台で、その夢が叶いました。いまは、沖縄ことばと格闘中です。

 それから恋愛作品をあまり通ってこなかったので、これからは恋愛作品をどんどんやって作品内で沢山恋したいと思います(笑)。

――最後に、本作の見どころを教えて下さい。

前田:前作を好きでいてくださった方はもちろんですが、今回続編は『新世代逆襲編』ということでテンポ感もさらにアップしていると思いますし、夢を追いかけている人たちには背中を押してくれるような作品になっているんじゃないでしょうか。コロナ禍で自分を見つめ直す時間が増え、何かに挑戦するにもこのネット社会で情報過多のなか、自分がやりたい方向性が定まらないという瞬間もあると思うんです。ただ、まず一歩踏み出してみることが重要だと思うので、“頭でっかちにならないで踏み出してみよう”というメッセージが伝わればいいなと思います。

■『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』
配信URL:https://abema.tv/video/title/90-1567

(C)AbemaTV

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