発売近づく『ELDEN RING』、アクション性の多様化に潜む“2つの可能性”
一方で、アクション性の多様化は、現実に近い挙動をコンセプトに作られてきた(であろう)『Demon's Souls』や、『DARK SOULS』シリーズからの脱却を示すものでもあるように感じる。トレンドのアクションタイトルが持つ“スピード感”とは距離をとり、あえて(良い意味での)“もっさり感”でジャンルを牽引してきたソウルシリーズ。それらが持つ無二のゲーム性・特徴と決別するこの変更は、同シリーズをさらなる高みへと到達させ得る可能性がある反面、陳腐化させてしまう危険性も同時にはらんでいる。
宮崎英高氏は先のインタビューで、「さまざまな要素を新たに追加することで、戦略的なバトルへのアプローチを重視し、攻略に対するプレイヤーの選択肢を増やした」と語った。難易度については、「(歴代のソウルシリーズ作品の流れをしっかりと受け継ぎながらも)攻略への自由度、戦略の幅広さ、マルチプレイのハードルの低さなどから、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』よりも抑えられているのではないか」と説明している。
直近では、PlayStation5のローンチタイトルとしてリリースされたリメイク版『Demon's Souls』が記憶に新しいソウルシリーズ作品。同タイトルで見せた次世代機の可能性を、『ELDEN RING』は示してくれるだろうか。
発売まで約3か月。シリーズファンとして、胸を高鳴らせながらその日を待ちたい。