グッドデザイン賞ベスト100に選ばれた家電・ガジェット ソニー、パナソニックなどから注目の5アイテムを紹介

 今年も素晴らしいデザインを備えたプロダクトやプロジェクトに送られる「2021年度グッドデザイン賞」が発表された。審査対象数5,835件は昨年比1,066件の増加。そして、受賞件数は1,608件とこちらも昨年比で213件増加し、世の中のデザインへの関心の高まりを感じさせる。

 さらに、数多くの受賞対象の中から、特に高い評価を得たものが「グッドデザイン・ベスト100」として、100件が選出されている。ここではそのベスト100の中からガジェットジャンル注目すべき5つのプロダクトをピックアップした。

 これらの製品、要注目だ。

スポーティーで美しい身につけるエアコン

富士通ゼネラル「Cómodo gear」/(C)公益財団法人日本デザイン振興会

 空調機器メーカーである富士通ゼネラルから発売された、ネッククーラー「Cómodo gear」。⽔冷式ペルチェ技術を⽤いて、血流が集中する頸部を冷却。熱中症予防や炎天下でのパフォーマンス向上に繋がるウェアラブルギアだ。

 評価されたのはデザイン性と装着感。形状・カラーリング・素材が非常にバランスよく構成され、スポーティーさも感じる洗練されたスタイルは、これまでのネッククーラー野暮ったいイメージを払拭している。また、2つのサイズ展開があり、男女問わず快適な装着感を実現しているところも評価されたポイントだ。

 個人的には、類似したアイテムが多い中「ウェアラブルエアコン」という、あくまでも空調機器としたテーマで提案している、富士通ゼネラルらしさも評価したい。

スマホで炊き方やレシピを増やせる炊飯器

パナソニック「SR-UNX101」/(C)公益財団法人日本デザイン振興会

 パナソニックの炊飯器「SR-UNX101」は、インターネットと繋がるIoT炊飯器。

 スマホと接続して遠隔地からも炊飯の予約ができるのはもちろん、スマホから炊き方を変更したり、定期的にアップデートされる調理レシピを追加して調理できるため、ただ炊飯するだけでなく、多様化するライフスタイルへ対応できる製品だ。

 アプリ側にメニュー機能を集中させたことで、本体のデザインが極めてシンプルになったのも特徴的。パーツ数を抑えることで、メンテナンス性を上げるといった工夫も行われている。

 評価されたのはシンプルなボディデザインはもちろんだが、さまざまなシチュエーションに対応でき、課題を合理的に解決できるといったプロダクトデザインとしての完成度の高さだ。「炊飯器はもはやお米を炊くだけのものではなく、総合調理器具であるということをこの製品は証明した」と、高い評価を集めている。

ダイヤル操作を液晶に再現するデジタルカメラ

FUJIFILM「GFX100S」「GFX50sⅡ」/(C)公益財団法人日本デザイン振興会

FUJIFILMの「GFX100S」と「GFX50sⅡ」は、フルサイズセンサーよりもさらに大きいラージフォーマットセンサーを採用したデジタルカメラ。

 超高解像1億200万画素の100Sと、5040万画素の50sⅡという2つのラインナップは、高画質化を狙いつつも、フルサイズ機同等のサイズ・重さ・価格を実現した、FUJIFILM渾身のシリーズだと言える。

 フルサイズ1.7倍の面積とい巨大なセンサーで、緻密な映像表現を楽しめるポテンシャルを備えていながら、必要な機能をギュッと凝縮したボディは芸術的だ。評価されたポイントもやはりそこで、物理的なインターフェース類を簡略化しつつ、上面サブ液晶ではダイヤル操作を体感できるUIを備えるなど、カメラ体験と機能性を両立したデザインは本当に美しい。

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