元世界王者・竹原慎二、50歳でも“いろんな意味”で強すぎる 人生が詰まった『竹原テレビ』の魅力とは
元ボクシング世界王者・竹原慎二のYouTubeチャンネル『竹原テレビ』には“人生”が詰まっていた。
竹原慎二といえばボクシングでの活躍はもちろんだが、アラサー、アラフォー世代を直撃していたのがテレビ番組『ガチンコ!』内の『ガチンコファイトクラブ』での活躍だ。ケンカ自慢の不良たちを集めプロボクサーを育成するこの企画は当時一世を風靡した。失礼な態度を取る不良たちを竹原がリングの上で直々にマットに沈めるくだりはいまでも鮮明に覚えている。
そして放送終了から20年が経ったいま、あの面白さをふたたび味わうことができるのがこの『竹原テレビ』だ。ガチンコファイトクラブの裏話はもちろん、歴代選手たちのすごさを語る『竹原ボクシングマガジン』、全国からクズたちを集めボクシングを通して腐った性根を叩き直す『クズ塾』、那須川天心や武尊、安保瑠輝也などいま全盛期を迎えている格闘家たちとのコラボ企画など、大病から復活し御年49歳とは思えないほどの肉体と気力を持つレジェンド・竹原慎二の企画の数々は文字通り「人間の限界に挑戦している」気さえする。
チャンネル内でも特に人気なのが「街の不良をボコボコにする」シリーズ。「竹原なんて余裕でしょ」と息巻くケンカ自慢の不良たちを竹原がスパーでボコボコにするという企画なのだが、これが色んな意味で面白すぎる。若者が竹原を舐めてイキがる→1Rでボコボコにされる→人が変わったかのように丸くなる……という流れはまさにガチンコファイトクラブを彷彿とさせる。
「いまだにこんな人たちいるの?」と疑いたくなるほどウソみたいな格好と態度のケンカ自慢が「50歳に勝てないワケねぇだろw」と竹原を挑発し舐めきった態度を取っているのだが、少しでも冷静に考えれば素人VSボクシングの世界王者が試合になるはずがない。竹原の岩が飛んでくるかのような強烈なパンチをモロに受け、次々とKOされていくケンカ自慢たち。そして試合終了後は案の定「つ、強ぇ……強すぎる……完全に舐めてました……本当にすいませんでした……」と狼狽し、最終的には「これまでの態度はいったいなんだったのか」と思うほど礼儀正しい青年へと変貌する。上記リンクの動画に至っては、ラストでジムのみなさんに対してドリンクの差し入れをするという聖人ぶりにエンターテインメントとしての美しさを見た。この良い意味での「予定調和」と絶対に「こうなるだろうな」という展開を裏切らない安心感、動画としての盛り上がりを作りつつも素人相手にケガをさせないよう絶妙に手加減をする竹原慎二の圧倒的な実力と人間としての優しさがあってこそ。完璧に「コンテンツ」として成り立っている。