AKB48「根も葉もRumor」のプロモーションを、 YouTube・Twitterの観点から考える

 AKB48の最新シングル『根も葉もRumor』が9月29日に発売された。本作はAKB48のメンバーのみを選抜。姉妹グループが参加しない“純選抜”は2010年12月発売の「チャンスの順番」以来、実に10年9ヶ月ぶりだ。さらに、AKB48のシングル発売は、2020年3月18日発売の『失恋、ありがとう』から1年半ぶり。AKB48だけの選抜、久しぶりのシングル発売とあって、メンバーのただならぬ思いとファンの大きな期待が感じられる。

 10年前のAKB48はシングルが発売されるたびに自然と話題になり、気がついたら誰もが曲を口ずさんでいた。しかし、昨年は『NHK紅白歌合戦』に落選し、当時の神セブンに匹敵する知名度のメンバーは少ない。メンバーは頻繁に「今のAKB48を知ってもらいたい」と発言しているのが現状だ。2021年のAKB48は「根も葉もrumor」をどう世間に広げていくのか。プロモーション面での変化をYouTube、Twitterから見ていきたい。

 まずはYouTube。「根も葉もRumor」は発売の2ヶ月以上前の7月17日にTBS『 音楽の日』にて初披露。その1ヶ月後、8月13日にYouTubeにて「【Dance Practice】AKB48「根も葉もRumor」 -1half- へとへとver.」が公開された。今回の新曲で最も力を入れているのはダンス。AKB48初のロックダンスが取り入れられた「どえらいダンス」が話題を呼んだ。今までのAKB48はMV撮影前日や当日に振り入れすることも多かったそう。しかし、今回は3週間前からレッスンを開始。へとへとverでは、数えきれないほど踊った後に撮影した、とのことだが、とても疲れているとは思えない、キレキレのダンス。「AKB48ってこんなに凄いんだ!」「またAKBの時代が来そう」「AKB史上最高傑作」とファンからも、ファン以外からもコメントが相次いだ。

 8月31日には「根も葉もRumor」のMVを解禁。着目したいのは、概要欄だ。直近のシングル「失恋、ありがとう」「サステナブル」「ジワるDAYS」を見ると、MVの説明が数行と選抜メンバー、リンクの記載のみ。しかし、今回はMVに関する説明がとにかく詳細。さらにセンター・岡田奈々、MV監督コメント、振り付けを担当した三重高等学校 ダンス部“SERIOUS FLAVOR” 顧問・神田橋純教諭のコメントまで。参加メンバーも選抜だけでなく、カップリングも含め、全曲書かれている。着目すべきは選抜メンバー見どころコメント。リレー形式で選抜メンバーが日替わりでコメントを掲載。自分のMV内での役を詳しく解説してくれるため、ストーリーをより楽しめる。

 その後、「根も葉もRumor Dance Ver.」「AKB48×CyberAgent Legit『根も葉もRumor -1half- Street Dance ver.』」「【Dance Practice】AKB48「根も葉もRumor」 フルサイズver.」と次々とダンス動画を公開。中でもプロダンサーCyberAgent Legitとのコラボは新たなAKB48の取り組み。フロントメンバーの岡田・本田仁美・横山結衣の3人のダンススキルの高さがうかがえた。さらに、フルサイズのDance Practiceでは、今まで公開されていた動画とは違う、新たなフォーメーションが多く取り入れられていた。一本動画が公開されていくごとにどんどん「根も葉もRumor」の可能性の大きさが見えてきた。

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