サカナクション・山口一郎も愛用 メガネ型ウェアラブルデバイス、新「JINS MEME」誕生

新「JINS MEME」誕生

 テクノロジーの進化が著しい社会において、ウェアラブルデバイスへの関心が高まっている。

 スマートフォンの普及やIoT技術の発達、そして5Gの登場などによって、ウェアラブルデバイスの拡張性はさらに広がったと言えるだろう。

 そんななか、大手メガネチェーン「JINS」を運営する株式会社ジンズは、メガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズ ミーム)」の次世代機を2021年10月14日に発売する。

 2015年に同製品の初代機を発表してから約6年ぶりとなるプロダクト刷新となっており、発売に先駆けて開催された「JINS MEME 次世代機発表会」では、次世代機の開発背景や特徴についてのプレゼンテーションが行われた。

約6年に渡る研究開発の末に誕生した新JINS MEME

 冒頭には株式会社ジンズホールディングス 代表取締役 CEOの田中仁氏が登壇し、JINS MEMEの次世代機を開発した経緯や意義について語った。

 「2015年に初代のJINS MEMEを発表してから、約6年という歳月をかけてようやく次世代機の日の目を見ることができた。途中、開発をしていくなかでアプリの不具合が生じたりと、困難にも見舞われたが、今日を無事迎えられたことを非常に嬉しく思う」

 実は当初、今回の次世代機発表会は6月末に予定されていた。しかし、アプリ開発の過程で急遽スケジュールの遅延が発生したため、3ヶ月ほど後ろ倒しを余儀なくされたのだ。

 「ウェアラブルデバイスの可能性は注目されていたものの、実際には多くの難しい点があった。それは技術的なことだけでなく、人々のライフスタイルにどう浸透させるかまでの全体の組み立ても考えなくてはならず、結果として研究開発に長い時間を要した」

 それでも屈せずに開発を続けたのは「創業以来、JINSのビジョンである『Magnify Life(マグニファイ ライフ)』(人々の人生を拡大し豊かにする)を貫いてきたから」だと田中氏は話す。

 「JINSは今年で創立20周年を迎えるが、当初からメガネの常識を疑ってビジネスを展開してきた自負がある。それには主に2つあり、産学連携をすることで知見を得たり、メガネ業界では稀有なR&D(研究開発)室を設けたりと、既存の枠組みにはとらわれない形で製品開発を行ってきたこと。そして、世界に先駆けて2007年からオンラインでメガネを販売するなど、10年以上前からテクノロジーの可能性に注目してきたことが挙げられる」

 まさに満を持して世に出すこととなった新「JINS MEME」。

 「奇しくもコロナ禍によって、これからの時代に必要とされる製品になった」と田中氏は言う。

 「社会のデジタルシフト、健康意識の高まり、テレワークの常態化など生活様式が一変し、ONとOFFの境界線がなくなったライフスタイルでは、個人単位で変革が求められている。より一層セルフマネジメントが大切になってきている時代に、進化したJINS MEMEは大きな価値を提供できると考えている。これからもジンズとして、持続可能な社会やサービスの発展に貢献したい」

ココロとカラダのセルフケアをサポートする機能が充実

 続いてJINS MEME クリエイティブディレクターを務める株式会社ONE代表の岩原一平氏が製品の特徴や機能について説明した。

 まず、開発コンセプトは2つの社会背景がもとになっているという。

 「1つ目は、テレワークが盛んになったことで、家庭内に仕事が持ち込まれる状況となり、ONとOFFの境界線が曖昧になったこと。そして2つ目は会社依存せず、個人の実力で好きなことを武器に生きていく時代にシフトしていること。これらを踏まえ、JINS MEMEの開発に着手してきた」

 こうした“自己規律時代”を生き抜くために、JINS MEMEは新たなに「ココロとカラダのセルフケアメガネ」と銘打ち、自分自身のマネジメントに最適なソリューションを提供するアイウェアになっているという。

 「鼻当て部分に搭載した超小型センサーが検知した生体データにより『BODY(カラダ)』、『MIND(ココロ)、『BRAIN(集中)』の3つの状態を専用アプリと連動させることで計測できる。これにより、心身の状態を可視化でき、日々のパフォーマンスの向上や体のメンテナンスにも役立てられる」

 BODYは姿勢の良し悪しや体の傾きの状態をアプリでリアルタイムに把握し、悪い姿勢が続いたときはアラートで通知してくれるというもの。

 さらに、隙間時間で取り組める20秒~3分程度のメンテナンスコンテンツも全25種類用意されている。

 MINDは変化する心の状態を「没入度」「安定度」「バイタリティ」の3つの度合いから計測することができ、集中力低下や緊張状態など状況に応じてアラートで知らせてくれるという。

 また、マインドフルネスや瞑想といった、心を整えるコンテンツも充実。

 全18種類からシーンや気分に合わせて選べ、かつ所要時間も1~3分と短時間で完結するようになっている。

 BRAINはまばたきの状態から、1日の時間別集中度を計測し、いつ、どんなときに、どのくらいの深さで集中できているかを把握できる。

 加えて、マルチタスクが求められるオンライン環境下で「時間を決め、一つのことに集中する」ことをサポートするタスクやBGM設定のメニューも展開。

 集中しやすい環境を自身でカスタマイズし、生産性を高めるのに役立てられるそうだ。

商品のバリエーションも大幅に拡大

 アプリの機能面はもちろんのこと、今回の次世代機は初号機に比べて大幅に商品ラインナップが拡大した。

 「メカパーツの小型化を実現できたことで、従来では2種類しかなかったのが、メガネタイプ8種類、サングラスタイプ4種類の計12週類と豊富なバリエーションになっている」

 価格も初代が42,210円(発売当初)だったのに対し、次世代機は19,800円と半分以下に。

 その分、アプリ利用料(初年度は無料)として年間5,000円もしくは月額500円のサブスクリプション型へと移行しているが、以前よりも手軽にJINS MEMEを試せるようになったと言える。

 ガジェット好きならずとも、日々のメンタルケアやパフォーマンス維持のニーズから裾野が広がっていき、国内におけるスマートグラス普及の布石となりうるプロダクトなのではないだろうか。

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