“キムタクが如く”こと『JUDGE EYES』のスケボーシーンをスケーターがガチで解説してみた

「キムタクが如く」スケボーシーンをスケーターがガチ解説

 木村拓哉氏主演で知られるセガのアクションゲーム『JUDGE EYES:死神の遺言』(通称:『キムタクが如く』)。2018年にPS4で発売された人気ゲームであるが、この度そちらの続編となる『LOST JUDGEMENT: 裁かれざる記憶』が発売となった。

 『JUDGE EYES』には、豪快なアクションシーンが多数含まれており、そのなかでも印象的であったのが、キムタク演じる主人公「八神隆之」がスケートボードで松金組から逃げるシーンだ。以前ツイッターでは「まるで名探偵コナンのようだ」として話題になっていたが、オリンピックでスケートボードが盛り上がり、さらには続編である『LOST JUGEMENT』が発売になった今、こちらのシーンに再注目してみようと思う。

 キムタク演じる八神隆之はスケートボードで逃げる際に、トリックをいくつか披露している。そこで現役でスケートボードをしている筆者が、解説を試みた。

(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)
(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)

 まず注目したいのが、通行人にスケートボードを「借りる」シーンだ。彼はスケートボードを借り、走りながらボードに乗るわけであるが、彼は左足を前にし、体を右に向け右足で漕ぐ「レギュラー」スタンスのスケーターであることがわかる。逆に右足を前に、左向きで乗るスタンスを「グーフィー」という。

 ここでスケーターからはツッコミが入るであろう。八神はレギュラースタンスのスケーターにも関わらず、ボードに乗るときに、通常とは逆の手である「右手」でボードを地面に置いているのだ。通常であれば、レギュラーのスケーターは乗るときに右を向くため、「左手」が前に出る。そのため、レギュラースタンスの人にとっては、そのまま左手でボードを地面に置くのが一般的である。ここで違和感を覚えるスケーターも多いだろう。

 しかし、この「逆の手でボードを置く」大御所プロスケーターがいるのも事実である。それが人気スケートボードブランド「BAKER」を立ち上げた通称「ボス」、Andrew Reynolds(アンドリュー・レイノルズ)である。進行方向と逆の手でボードを置くプロスケーターはアンドリュー・レイノルズしかいない説もあるなか、もしかしたら八神はアンドリュー・レイノルズに憧れてスケートボードを始めたのかもしれない。そう考えると、八神の服装もBAKERのライダーっぽくもある。

(画像:HIJINX NetのYouTubeより)
HIJINX NetのYouTube

 その次に彼が繰り出す技が、こちらの車に掴まるシーンである。こちらは「スキッチング」と呼ばれる行為であり、アメリカなどではたまに見る光景である。危ないので真似をしてはならない。

(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)
Chris ChannのYouTubeより

 そしてここで大技が出る。それがフロントサイドの「リップスライド」である。リップスライドはレールで行われることが多い「スライドトリック」だ。後ろのトラック(ボードとウィールを繋ぎ止めている金具部分)でレールなどの障害物を超えた状態で、ボードの真ん中で滑る技である。

(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)
(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)

 非常に高いオーリー(ボードとともにジャンプすること)をしたキムタクは、巨大な障害物でフロントサイド リップスライドを披露している。リップスライド自体はそこまで難易度が高いトリックではないが、ここまで高い障害物でのリップスライドは、高得点であろう。

 ちなみにリップスライドといえば、Milton Martinezが2018年にトリック・オブ・ザ・イヤーを獲得した映像が印象的である。

Creature SkateboardsのYouTubeより

 その後、八神は非常に興味深いトリックを見せている。彼は車の下をスケートボードで走らせ、自分は車を超えるという技を披露しているが、こちらはボードをそのまま走らせながら、自身のみがジャンプする「ヒッピージャンプ」というトリックのアレンジであろう。車の上を転がっているので、「ヒッピーロール」とも言うべきか。

(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)
(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)

Fabian DoerigのYouTube

 そして彼のランの最終トリックとなるのが、今まで見たことがないトリックだ。彼は素早く360度パワースライドをした後、恐らくヒールフリップ・ウォールプラントをしている。ウォールプラントは、ボードに乗った状態で壁を蹴る技であるが、壁の代わりに襲ってきた敵の顔でウォールプラントをしている。

(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)
(画像:SEGA 『JUDGE EYES:死神の遺言』より)

 後ろ足でボードを回しているようにも見えるので、最初はノーリーフロントサイドヒールフリップかと思ったが、スローで見てみると、テールを弾いているため、ノーリーではないことがわかる。これもランプや、ジャンプ台などからやる場合は理解できるトリックであるが、フラットからやる場合は相当な難易度であろう。

Jesse LackのYouTubeより

 結論として、八神は乗り始めこそぎこちない感じもあったが、アンドリュー・レイノルズに影響されている、オリジナリティ溢れるスケーターであることがわかった。2018年のスケーター・オブ・ザ・イヤーに選ばれたTyshawn Jones(タイショーン・ジョーンズ)並みのポップ(高さ)を持ち、さらには路上でトリックをやることを恐れない真の「ストリートスケーター」とも言えるだろう。

 そんな彼のアクションををさらに楽しみたい方は、『JUDGE EYES:死神の遺言』と、その続編『LOST JUDGEMENT:裁かれざる記憶』をプレイすることをオススメする。

(画像=(C)SEGA/HIJINX Net)

(Source)
https://judgment.sega.com/judgeeyes/
https://youtu.be/ZyRRl7H5bsU
https://youtu.be/O59MCyuF57Y
https://youtu.be/K2g_qaCi-zI
https://youtu.be/hVGwcWl-X1Y



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