ポケカのデジタルTCG『Pokémon Trading Card Game Live』は日本語化するのか? 3つの動向から可能性を探る
加速する「アナログTCGのデジタル化」「人気ゲームのeスポーツ化」
一方、ゲーム市場では近年、アナログTCGのデジタル化が続いている。2019年9月には、同分野の始祖とも言われる『Magic: The Gathering(マジック・ザ・ギャザリング)』が満を持して、基本プレイ無料のデジタル版『Magic: The Gathering Arena』の正式サービスを開始。今年7月には、国内の覇権作品である『遊戯王OCG/TCG』をデジタル化した『遊戯王マスターデュエル』の映像が初公開されたことも話題となった。同シリーズからはこれまでに、『遊戯王デュエルリンクス』『遊戯王ラッシュデュエル』といったデジタルタイトルがリリースされ、一定の成功を収めている。今後は、4人対戦のスマートフォン向けタイトル『遊戯王クロスデュエル』もローンチされる予定だ。
過去を振り返ると、比較的コアなフリークたちによって支えられてきたアナログTCGというジャンル。デジタル化によって「見込み客」との接点が増えれば、自ずと界隈は盛り上がりを見せることになるだろう。
こうした流れとは別に、ゲーム市場では人気タイトルのeスポーツ化も加速する。「ブレインスポーツ」「マインドスポーツ」に分類されるTCGもまた、デジタル化でこのストリームの一部となっていくに違いない。
『PTCGL』のリリースは、世界で過熱する『ポケカ』人気や、アナログTCGのデジタル化、人気タイトルのeスポーツ化を見据えたものと言えるのではないだろうか。現時点では日本語への対応が発表されていないが、上記の動向に鑑みると、恒久的にローカライズされないとは考えにくい。万一、日本のファンを蔑ろにするようなことがあれば、国内市場で掴みかけているマーケットリーダーの地位を、みすみす捨てることにもなりかねないだろう。
『PTCGL』は、国内を含めた世界中のTCG市場における『ポケカ』の地位を不動のものとできるか。詳細は近く、公式サイトで明かされる予定だ。
(画像=公式トレーラーのサムネイルより)