【東海オンエア・コンビ分析】第十回 てつや&虫眼鏡 人生をかけた決断で結びつく2人

 虫眼鏡は、東海オンエアの成功に必要不可欠なキーパーソンだったと思う。虫眼鏡以外のメンバーは、てつやの同級生で構成されている東海オンエア。部活やクラスで気の合う仲間といういわゆる閉ざされた印象を持つ内輪ノリから、誰もがその一員になったようなオープンな印象が漂うエンタメグループになったのは、てつやとバイト先の先輩&後輩という関係から参加した虫眼鏡という異分子がいてくれるからに違いない。

 虫眼鏡というツッコミ役がいるから、てつやもメンバーもボケ倒すことができる。虫眼鏡が常識枠としてブレない存在だから、大真面目にバカを突き詰められる。逆に、そうしたイメージが定着した虫眼鏡だからこそ、タガが外れたようにふざけたときの破壊力も凄まじい。また、ときには自らの毒舌っぷりで、視聴者から飛んできそうなヤジに先手を打つ姿も度々見かける。

 てつやが虫眼鏡にそんな立ち回りをお願いしたとは思えない。虫眼鏡自身が持ち前のクレバーさで、その役割が必要だと判断したのだろう。そして、教師という安定した道からYouTuberという真逆の世界を歩み進めた。それはてつやに人生をかけたといっても過言ではない決断だったはずだ。ただバイト先が一緒だった。たったそれだけのつながりで、人生がこれほどまでに変わってしまった人を見ることはなかなかない。

 考えてもみてほしい。鼻から出ていた鼻毛をおもむろに抜ける間柄の人がどれだけいるだろうか。ときには、全裸の身体に磁石の球を黙々とつけたり、二人三脚で足を繋いだ状態でトイレまで一緒に入ったり……バイト先の先輩後輩という一期一会で終わってもおかしくなかった繋がりから、どうしてここまで強く結びつくことができたのか。その不思議な関係性に視聴者は魅了されてしまうのだ。単なる先輩後輩という言葉では片付けられない関係性に、まさにリスペクトを抱かずにはいられない。

 メンバーへのリアコだけではなく、こうしたてつやと虫眼鏡のようにメンバー同士の関係性そのものに、そして東海オンエアというグループそのものに愛情を抱くファンは多い。この先、年齢を重ねたメンバーのプライベートに大きな変化があったとしても、願わくば虫眼鏡が言うように「世界は何も変わらない」が続く東海オンエアであってほしいものだ。あと愛してる。

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