ゴリエに続きポケットビスケッツも復活へ? アラサーの“あの頃”がよみがえるYouTubeの今

署名運動を彷彿 ポケットビスケッツも復活?

 そして、復活コンテンツとしてこちらも外せないのが、タレントの千秋が運営するチャンネル『千秋の歌YouTube』。歌手としても活動してきた千秋に、現在も歌を望む声は多い。しかし、本人いわく「需要がない」との思いを長年抱えており、それでもやはり「歌いたい」との気持ちで、昨年11月にYouTubeを開設。その1本目の動画として、90年代一世を風靡した自身のユニット・ポケットビスケッツの「POWER」を歌った動画を投稿した。20年ぶりに歌ってみたという動画は、250万再生を突破(9月19日現在)。コメント欄には「懐かし過ぎて泣ける」「感激で涙が止まらない」といった大きな反響を呼んだ。

 その動画から約1年。2週間前に投稿された動画内でなんと、ポケットビスケッツ(以下、ポケビ)の復活に向けて動くことを宣言。自分の“歌”に需要がないと思っていた千秋が、現在14万人の登録者を獲得したことで、次に目指すは100万人達成時のポケビ1日復活だ。ポケビも前述のゴリエと同じく、1996年~2002年に放送された日本テレビ系バラエティ『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』というTV番組から誕生した音楽ユニット。千秋を筆頭に、内村光良、ウド鈴木で結成された。代表曲である「YELLOW YELLOW HAPPY」や「Red Angel」は、それぞれ100万枚以上を売り上げた大ヒット曲として知られる。

 登録者10万人から100万人への道のりの長さや、番組発のユニットであることから大人の事情として、復活は容易ではないが、ポケビには“100万人”でないといけない理由が存在する。同番組内で、登場したライバルユニット「ブラックビスケッツ」(ビビアン・スー、南原清隆、天野ひろゆき)の絶大な人気や、番組内の企画で、ポケビの存続自体が難しくなった際に、視聴者による“100万人署名”というものが行われた。当時の小学生や現在のアラサーであれば「あの頃署名した」という人は多くいるのではないだろうか。それくらいの勢いがあり、最終的に178万人以上の署名が集まったのだ。その署名をもってして発売されたのが「POWER」である。もちろん当時とは状況が大きく違うが、YouTuberが目指す“100万人”という数字との親和性は高く、またあの奇跡を起こすために、現在メンバーである内村やウドを千秋が説得する動画が続々と投稿されている。

視聴者にとっての“YouTubeドリーム”

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  これらの“復活コンテンツ”は、「もうTVでは見ることができない」という希少価値も含め、スポンサーや視聴率、TVを見る層のウケを気にしなくてもいいYouTubeだからこそ実現できる、いわば視聴者の“YouTubeドリーム”とも言える。過去の再放送ではなく、現在の“新作”、あの頃の“続き”が見れるという喜びは、やはり計り知れない。そのほかにも、人気絶頂でモーニング娘。を脱退した後藤真希が、当時のメンバーである辻希美や高橋愛らと、当時の衣装でダンスを披露したりと、現在のアラサーの思い入れをくすぐるようなコンテンツが数多く投稿されている。

 YouTubeの黎明期には、YouTuberを応援する視聴者層が中高生など若年層中心であったが、今や幅広い年齢層が視聴している。あらためてYouTubeは、クリエイターにだけではなく、我々視聴者にもまた夢を見させてくれる多様な媒体であると言えるだろう。

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