ホロライブの「箱推し」文化を作り上げたVTuber・白上フブキ 後輩思いな“最強のオールラウンダー”の功績

後輩思いのVTuber・白上フブキの魅力

 また、メンバーのピンチにかけつけることも多く、紫咲シオンと宝鐘マリンが配信に寝坊した際、彼女たちを待つリスナーのために実況+雑談で4時間繋いだ「ババ共の寝起きを見守るRTA実況」は、朝8時過ぎ開始にもかかわらずリアルタイム視聴数が6万人を越えることに。また、『マインクラフト』のホロライブサーバーでは、彼女によく似た「なぞなぞ仮面」なる人物が様々な配信に現われ、突然なぞなぞを出して去っていく時期もあった。

 こうした活動が、メンバーの仲がよく和気あいあいとした雰囲気や、その魅力に惹かれた箱推しの増加に与えた影響は大きい。大神ミオ&大空スバル&百鬼あやめとの「FAMS」や、そこに猫又おかゆ&戌神ころねを加えた「OKFAMS」、不知火フレア&角巻わためとの「バカタレ共」など特に親交の深い面々もいるものの、彼女はそれ以前にホロライブ全体の一番のファンでもある、という印象だ。もちろん、ホロライブだけでなく、同事務所の男性グループ「ホロスターズ」との交流も含めて、プロダクション全体を仲間として見守っている。

 また、彼女はホロライブの特徴のひとつである、海外リスナーからの高い人気のきっかけをつくったひとりでもある。特に印象的だったのは、2019年末に海外のドラム配信者・The 8bit Drummerとの間で生まれた、両者のリスナーを巻き込んでの言葉の壁を越えた交流だ。

Im. Scatman On Drums!

 The 8bit Drummerはアメリカの即興ドラム配信者で、リスナーがリクエストした楽曲にあわせて即興演奏を行なっている。ここにある日、視聴者から白上フブキがScatman Johnのスキャットを口ずさむショート動画が送られ、The 8bit Drummerは最後まで演奏しようと頑張ったものの、異国から届いた謎のヘロヘロスキャットに爆笑して演奏を止めてしまう。

 ここから、両者の「笑ってはいけないドラム演奏対決」がスタート。白上フブキが新しいショート動画を投稿するたびに、The 8bit Drummerが笑わずにドラムを叩ききろうと挑戦し、その様子に両者のファンが盛り上がった。この交流はいつしかホロライブの他のメンバーの楽曲にも広がり、グループの魅力が海外リスナーに伝わるきっかけのひとつとなった。

 メンバーやリスナーからの信頼も厚く、「フブキング」という愛称で親しまれる白上フブキ。9月18日からは、5期生のねぽらぼ(獅白ぼたん、雪花ラミィ、尾丸ポルカ、桃鈴ねね)とともに富士急ハイランドとのコラボレーション企画「ホロライブin富士急ハイランド」にも参加する。優しく頼れる先輩として、これからもグループを引っ張っていってくれそうだ。

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