アプリを介さずVR空間を体験できる? stuが新たな表現技術の実証に成功、ワンステップで高精緻なバーチャル表現へ
株式会社stuが「WEBブラウザやスマートフォンで高精細なデジタルツイン空間を体験できるVR表現技術」の実証実験に成功したことを発表した。
本実証実験は、AWS上のGPUインスタンスによるサーバーサイドレンダリングを活用することにより、PCやワークステーションで実行処理が必要な大容量の3Dデータやハイエンドなグラフィクスを扱うことが可能となり、「商業施設空間」「都市空間」「ライブコンサート空間」のような高密度・高精細な仮想空間を、あらゆる端末で楽しむことができる。
当技術では、サーバー上で実行されているソフトウェアをリモート操作し、レンダリングされた映像を視聴する端末にストリーミングする方式を採用した。
この方式では、従来のバーチャル表現とは異なり、大容量のデータを事前にダウンロードする必要がないほか、ビデオカードなどのグラフィックスアクセラレーターがない端末でも快適にコンテンツを楽しむことができる。さらに、ゲームストリーミング・バーチャルリアリティ・ライブイベントでの会場内体験などにおいて、インタラクティブで没入型の体験を提供する5Gアプリケーションを実現するプラットフォーム・AWS Wavelengthと5G通信を活用することで、より低遅延でストレスのない映像伝送やインタラクションを実現している。
また、本実証実験では、3D空間の再現に、Unity Technologiesが提供する高精細レンダリングパイプライン「High Definition Render Pipeline(HDRP)」を採用している。従来では、PC やワークステーションで実行処理が必要であったものの、本技術ではアプリケーションの実行をサーバーサイドで行っているため、モバイル端末でも高精細レンダリングパイプラインを使用可能となっている。
現在、 stuではこれら技術を活用したデジタルツイン空間でのボリュメトリックビデオ活用やリアル空間と仮想空間の連動技術、また、当技術を用いたコンテンツ配信が簡単に行えるSDKの提供や、利用者数に応じて 自動的にサーバー規模を拡大・縮小するオートスケール機能の開発、複数の仮想空間をシームレスに移動可能な仕組みの実現などを目指して開発を進めている。
なお、当技術を採用した技術デモンストレーションサイトの開発が進んでおり、2021年9月末に公開される予定だ。