VR空間で絵が描けるように VRアートの進化とアーティスト・せきぐちあいみの想い

VRアートの進化

 観るものを惹き込む映像作品は、アーティストやクリエイターなどの活動を、迫力ある演出や描写に落とし込んで創られている。

 最近ではビジュアル表現に没入感、臨場感を持たせるためにVR技術などのテクノロジーを融合させることも多く、かなり表現の幅が広がってきていると言えるのではないだろうか。

 そんななか、電子・電気機器メーカー大手の日本サムスン株式会社は、今をときめくクリエイターとコラボレーションし、同社製品の「Samsung SSD」を使用した映像作品の制作に挑戦する動画「BOOST CREATIVITY SESSION」を2021年7月19日に公開した。

 第一弾では「FUTURE STAGE」をテーマに、VRアーティストのせきぐちあいみと、8月にメジャーデビューを控える自称「エキゾチックバンド」を標榜するNEEがコラボレーションし、お互いのクリエイションが織りなす映像作品をお披露目。

 今回は、動画公開に先駆けて行われた収録現場へ潜入取材を敢行し、VRアートの体験や本作に込めた想いをせきぐちに聞いた。

仮想空間で絵を描く「VRアート」に挑戦

 6月某日、都内のスタジオへ足を運んだ筆者は、まずVRアートを体験。

 そもそもVRアートとは、VR(仮想空間)上に3Dの絵を描くもので、2次元の静止画では味わえない世界観を体験できるのが特徴だ。

 今までVRのゲームやコンテンツは実際に体験したことがあったものの、VRアートは初めてなので、360°広がる立体空間でのアート表現はどのようなものなのか興味深かった。

 まずはヘッドマウントディスプレイを装着し、VR空間の中へ。

 混沌とした都市風景を彷彿とさせるような空間は、さながら異世界へ入り込んだ感覚であった。

VR空間全体が「キャンバス」なので、表現は無限大

 続いて、専用のコントローラーを操作し、実際にVR空間で絵を描いてみる。

 Googleが提供するオープンソースソフトウェア(OSS)のVRペイントアプリ「Tilt Brush」を使い、ドローイングしたりエフェクトを入れたりと、様々な立体表現を簡単に施すができた。

 また、VR空間全体が「キャンバス」と捉えることができるので、臨場感溢れる空間に浸りながら絵を描くという新たなアート体験は、近未来のアートジャンルの可能性を大いに感じるものであった。

立体的な造形美を生み出す創造性が求められる

 ただ、Tilt Brushの機能を使い倒すことで、いわば無限の表現の仕方があるわけだが、平面の絵画や造形、彫刻作品と同様に、美的センスや色彩感覚などが問われるのは変わらない。

 現に、筆者がVR空間で円を描こうとコントローラーを動かしてみたが、線と線が結び合わさっておらず、立体的な円として表現できていなかった。

 このようにVRアートは、立体的な造形美を生み出すクリエイティビティと仮想現実を芸術作品として昇華させる感性が必要であり、VRアートの先駆者として活躍するせきぐちが、いかに秀でているかを身をもって学んだ体験となった。



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