米オークションハウス、詐欺の疑いでベテラン美術商夫婦を提訴 7億円以上を返還要求か

 米オークションハウスのサザビーズが、フロリダの美術商夫婦に700万ドル(約7億6500万円)の返還を求めて訴訟を起こしていることがわかった。

 美術商のフレデリック・サット氏とその妻、ベティナ・フォン・マルニッツ・サット氏は、2016年から2017年にかけて、スイスの画家で彫刻家のディエゴ・ジャコメッティの作品7点を、サザビーズに委託した。その後作品はオークションへと出品され、それぞれの購入者の元へ渡った。

サザビーズが公開したジャコメッティの台|New York Postより
サザビーズが公開したジャコメッティの手持ちランプ|New York Postより

 ところが真贋を疑った買い手が専門家に鑑定を依頼したところ、作品は偽物であると判定された。買い手からの指摘を受けサザビーズも専門家を雇い再調査を行い、「(夫妻が提出した)証明書は偽造されたものであると判断した」として、買い手への払い戻しを行ったようだ。同ハウスは米連邦裁判所へ提出した書類で、「恥知らずな詐欺計画」だと主張している。

 サザビーズ、そしてサッツ夫妻ともにこの件に関する声明を発表していないものの、『New York Post』などの海外メディアは、「サザビーズは夫妻に700万ドル近くの損害賠償と弁護士費用を要求している」と報じている。果たしてどのような決着を迎えるのだろうか。

(画像=New York Postより)

■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。

〈Source〉
https://nypost.com/2021/08/14/sothebys-sues-art-dealer-over-alleged-fake-diego-giacometti-works/
https://news.artnet.com/art-world/sothebys-sues-consignors-over-diego-giacometti-furniture-1996857
https://www.artnews.com/art-news/news/sothebys-files-lawsuit-seeking-damages-for-fake-diego-giacometti-1234601049/

関連記事