えなこもコスプレするVTuber・宝鐘マリン 360度の「面白い」を追求するエンタメ性に迫る
YouTubeの累計チャンネル登録者数が4,000万人を超える人気VTuber事務所・ホロライブプロダクション。その女性アイドルグループ「ホロライブ」のメンバー=通称“ホロメン”を紹介するコラムは今回で3回目。8月は連日メンバーの誕生日やデビュー記念日が続いている。中でも8月11日にデビュー2周年を迎えたのが、3期生の宝鐘マリンだ。
「ホロライブファンタジー」ことホロライブ3期生のムードメーカーとして知られ、2019年の8月にデビューした彼女だが、その魅力を分かりやすく伝えるためには、まずはオリジナル曲のひとつ「Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆」を聴いてもらうのがいいかもしれない。
IOSYSが手掛けたこの曲は、約5分の間に膨大なネタやオマージュが詰め込まれていて、多芸多才でコミュ強、ユーモアに溢れた雰囲気が印象的な彼女の配信風景をそのまま音にしたような趣がある。あるときは笑いにどん欲な芸人、あるときはメンバーの魅力を引き出していく企画の司令塔、ある時は卓越した技術を持つクリエイター。持ち前のユーモアを生かして360°様々な角度から「面白い」を追求するエンターテインメント精神の持ち主だ。
なかでも、豊富なオタク知識やトーク力を生かした雑談配信には定評があり、ときにはメンバーのグッズにイラストレーターとしてかかわることもある高い画力を駆使してホロメンとの日常を紹介するイラスト雑談も人気を集めている。昨年10月には、「78歳のマリン船長が未来からやってきた」という体でリスナーとやりとりする企画配信「マリン船長78歳」も話題になるなど、新しい切り口やアイディアを生かした企画にも積極的なメンバーだ。
また、ホロライブでは珍しく「エッチな目で見られたい」とたびたび発言し、YouTubeのセンシティブラインに果敢に挑戦していく無敵の人でもある(注:あくまでカラッとしたエロネタが得意なだけで、成人向けの内容ではない)。7月末に公開された新衣装でもホロライブ基準でのセクシーの限界ギリギリに挑戦しており、つい先日、その衣装を人気コスプレイヤー・えなこがコスプレして『週刊ヤングジャンプ』の表紙を飾ったことも記憶に新しい。歌や声マネ、芝居なども上手く、芸達者でみんなに愛される気さくなお姉さんといったイメージだ。
こうした活動からも伝わる通り、彼女の魅力のひとつは、バラエティ豊かな配信でリスナーを楽しませてくれること。語彙が豊富なことに加えて、企画立案側に立つだけでなく他メンバーの企画に出演することも多く、ツッコミ役にもボケ役にもなれる。強烈なキャラクターであるがゆえに独自の語録も多く、4期生の天音かなたの企画から派生的に生まれたW主催企画「宝鐘マリン増殖中」では、「宝鐘マリンのフリをする宝鐘マリンの中から本物の宝鐘マリンを探し出す」という地獄のようなシチュエーションから奇跡のオチも生まれた。