『わたママ』2話ーー夫、母、友人が語る“15歳での妊娠” 「このまま、まやが壊れちゃうんじゃないか」

 第2話で描かれたのは、“側にいる人から見たあの日のこと、あのときの私、今の私”。まやの母や、夫である前田俊(以下、しゅん)、妊娠発覚時にいちばん側にいた友人・仲本愛美(以下、まなまな)の視点から見たまやの素顔が明かされていく。

 一人目に登場したのは、事務所の先輩であり友達でもあるまなまな。実は、まやよりも先に妊娠を知った存在でもある。「(妊娠検査薬を)見るのが怖いから先に見て」と頼まれ、陽性を確認した時のことを、「一瞬何が起こったか分からなくて、あれ?って。おめでとうはまず言えなかった」と振り返った。

 まやが事務所に入った時から面倒を見ていて、可愛い妹のように思っていたまなまな。妊娠・出産したあとのまやについて、「大人びちゃって。まだ大人じゃないかもしれないけど、子どもじゃない。確実に考え方とかが明らかに親ですね」と語る。

 今では、“強いママ”になったまやだが、出産前は情緒不安定になり、毎日のように「死にたい」と泣いていたという。まなまなも、当時のことはよく覚えているそうで、真冬に洗面台で一人で号泣している姿を見た時には、「本当にこのまま、まやが壊れちゃうんじゃないか」と振り返る。

 妊娠を周囲に明かすことができなかったまやにとって、まなまなの存在は、大きな支えとなったことだろう。「まなまながいたから、ここまでちゃんとやって来られた」と感謝を伝える“妹”の姿を見て、涙を堪えるまなまな。二人の強い絆がうかがえた。

 二人目は、まやの母。幼少期のことから、妊娠を知った日、出産直後の様子など母から見た娘の姿を語っていく。

 5人兄弟の上から2番目で、小さいころから“いいお姉ちゃん”をしてきたまや。面倒見がよく、フリフリが大嫌い。マイペースすぎるところはあるにしろ、大きな反抗期もなく、育てやすい子どもだったという。

 そんな彼女が妊娠したことを報告したのは、車のなか。仕事帰りのまやを新大阪駅まで迎えに行った車中で、「話がある」と切り出されたそうだ。母親の勘なのか、妊娠を察し、「運転できる状況じゃなかったので、ちょっと止まって……」と当時のことを振り返る。

 妊娠したことを15歳の娘に告げられた母の想いは、計り知れない。「若くして母になるのも、できちゃった結婚も、いまだにイメージが良くない。学生で、というのも……」と不安を口にしていたが、それでも背中を押せた理由は、まやが自分で生きていけるだけの余裕があったから。

 「何か親が援助しなくてはいけないこともなく、自分たちでしっかり生活できるなっていうのがあったからこそ、背中を押せた」という。だからこそ、まやと同世代の子どもたちに対して、「そういうことがあるんだと気をつけて。同じように安易にではないけど、まやちゃんがやっているから大丈夫とはしてもらいたくない」と警鐘を鳴らす。

 コロナ禍で、出産に立ち会えなかったことに対しては、「まだ子どもですけど!」と思ったというまやの母。“親にとって、子どもはいつまでも子ども”などというのはよく耳にするが、当時16歳のまやは親の目から見なくても十分に子どもだ。そんな娘が、母になるーー。きっと、さまざまな葛藤があったことだろう。

 しかし、不安を吐露しながらも笑顔を崩さないまやの母を見ていると、本当に強い女性なんだなと感じる。そんな母に憧れ、「ママみたいなママになる」と決意を語るまや。彼女もきっと、素敵なママになっていくのだろうと思わされた。

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