目の動きを“声”にして伝達させるーー次世代アイトラッキング技術「EyeOn」に注目集まる

 コロナ禍をきっかけにタッチレス技術が見直されるなか、米国アリゾナ州に拠点を置くヘルスケアIT企業、アイテック・デジタル・システムズのアイトラッキング技術に注目が集まっている。

 ソフトウェアおよびデジタルコンテンツ業界を牛耳る権威ある団体であるソフトウェア・情報産業協会(SIIA)は、46企業・団体に対し「2021 CODiEアワード」を授与。多業界・多領域に跨る企業・団体が授与の対象となるなかで、ヘルスケア部門においてベストAIソリューションに抜擢されたのが、アイテック・デジタル・システムズが開発した次世代アイトラッキング技術「EyeOn」だ。

 「EyeOn」とは、通常のコミュニケーションが難しいとされる脳性麻痺やALS、筋ジストロフィー、脳梗塞、外傷性脳損傷、脊髄損傷、神経性疾患、自閉症と診断された患者を対象に、コミュニケーションの上での障壁となり得るものを取り除き、これらの患者に“声”をもたらすことを使命に、同社独自の技術である「OnBright」拡大交代コミュニケーションソフトウェアを統合し開発されたものだ。視線を利用したコミュニケーションツールはすでに他企業でも開発が進められているが、その他にも身の回りの環境を変えたり、ウェブを検索したり、仕事をしたり、ハンズフリー操作を学んだりといった、健常者が普通にこなしているようなことを不自由なくできるようにするツールとして期待が持たれている。

 「EyeOn」を開発したアイテック・デジタル・システムズは、「2021 CODiEアワード」のみならず、AI・機械学習分野の数々の栄誉ある賞を総なめにしているヘルスケアAI領域のグローバルリーダーだ。ちなみに、「EyeOn」はHIPPA法のもとで管理されたデータを用いて訓練されたAIと、超高速FPGAプロセッシングとの柔軟な組み合わせにより、正確な“目”によるコミュニケーションを実現。現在、世界35ヶ国、1万名を超える患者の生活を支えている。

 同社の設立者兼チーフサイエンスオフィサーのロバート・チャッペル氏は「EyeOn」への思いについて、「口頭での応答が難しい患者に“声”を与えるとともに、自立して生活できるようサポートすることで、QOLの向上に寄与したい」とコメントした。

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