コロナ禍で急増のオンライン留学、そのメリットとデメリットについて考える

オンライン留学のメリットとデメリット

[オンライン留学] 英語圏の場合

 一方、韓国以外の国、アメリカやイギリスなどの英語圏はどうだろうか。
1年間イギリスに留学に行く予定だった学生は、コロナの影響でオンラインで現地の授業を受けざるを得なかった。彼女の通う予定だった大学・サウサンプトン大学では、元々オンラインコースがあるわけではなく、急遽オンラインに転換されたようだ。

 実際、このような学生は非常に多い。留学は半年前程から計画を立てる場合が多く、すでに手続等が済んでいたり、大学のプログラムなどで留学が組み込まれていたり、もしくは、ちょうど留学中であった場合など、オンライン授業を受ける以外の術はないのだ。

最大の困難は「時差」?!

 一番の問題点としては、「時差」が挙げられる。時差があるために、授業の時間が「深夜」または「早朝」ということになりかねない。すると、生活リズムが崩れてしまい苦労する。実際にオンライン留学となった学生の場合、早いもので夕方16時から授業が始まり、深夜2時から授業を受ける日もあった。時差の関係で、昼夜逆転の生活となってしまったようだ。また、日本の大学での授業と期間がかぶり、両立しなければならない時期は、健康管理も難しく、精神的にも、非常に苦しかったという。

留学費はどうなるのか?

 本来、現地での留学を予定していた場合は、減額等はないようだ。しかし現地・イギリスに渡航しても、寮の一室でオンラインで授業を受講することになる場合が多いようだ。

用意され始めたオンライン留学プログラム

 一方で、実際の留学の代替というところから、より整備された「オンライン留学プログラム」が用意され始めていることも事実である。コロナの影響で留学が難しくなってしまった学生向けに、オンラインでリアルな授業を経験できるようになっているようだ。

費用面は、大きなメリット

 最大のメリットは、やはり留学費用だ。例えば、欧米の留学費用は非常に高い。奨学金の制度などもあるが、手助けを受けても、物価が高い国が多い。学費に生活費を含めた上で、アジア圏に比べると、約10倍に至ることもある。しかし、オンラインであれば、学費を約1/6~1/3に費用を抑えられる。ビザの取得も必要なく、生活費が要らないとなれば、より始めやすいのではないだろうか。

 また、オンラインとはいっても、しっかりと学校のプログラムであるため、日本で受ける英会話教室とはわけが違う。リアルな体験を通して、語学力を確実に上げられることは間違いないだろう。また、オンラインを日本で受けた後、実際に留学に行って学ぶといった「ハイブリッド式」の学習方法も良いのではないだろうか。

生活での文化体験は不可。「時差問題」は?

 費用面では気が楽だが、生活はあくまでも日本で行うため、日常的に英語を使用したり、各国の文化を経験したり、「文化体験」はできない。留学の目的にもよるが、その醍醐味が失われると考える人は少なくないだろう。一方で、デメリットと考えられる「時差」については、きちんとプログラム化されることで、ある程度配慮があるようだ。限られてしまう部分もあるが、深夜に授業が行われることは少ないだろう。

最後に

 「オンライン留学」を通して私が感じたことは、楽しさよりも不安やしんどさだった。私は韓国現地での留学も経験しているが、その際は毎日が楽しく気づけば韓国語が話せるようになっており、書けるようになっているような感覚だった。しかし、オンラインの場合、実力が伸びている実感はなく、韓国語に囲まれた生活を送るわけでもないため、「留学の楽しさ」は正直味わえなかった。ただ、学ぶ内容や少人数授業の雰囲気は、物理的距離はあるものの、留学時とほとんど変わらない。実際の生活を通しての文化体験をしたいと思っている学生にとって、「オンライン留学」はいい刺激になるかもしれない。しかし、何か物足りなさを感じたり、想像していた「留学」とは違ってくるだろう。一方で、留学に行く勇気はなかなか出せないが語学力を伸ばしたい学生や、社会人の方で、働きながら言語習得をしたいと考えている方に「オンライン留学」は勧められるのではないかと考える。

(画像=Unsplashより)

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