コロナ禍で急増のオンライン留学、そのメリットとデメリットについて考える

オンライン留学のメリットとデメリット

 新型コロナウイルスのパンデミックにより、海外への渡航が極めて困難となったいま、「留学」も難しい現状にある。大学のプログラムとして組み込まれている場合や、すでに留学が予定されていた学生は、どのように対応したのか。留学できるかどうかがまず定かでなく、希望も捨てきれない学生も多くいるが、渡航することができなかった場合、その代替案として「オンライン留学」という選択肢もある。そもそも「オンライン留学」とは何か。そのメリットやデメリットについて考える。

オンライン留学とは?

 まず「オンライン留学」とは、主に「海外の大学講義をリアルタイムで受ける」ことを指すことが多い。国や大学によりプログラムも様々である。海外のクラスメイトと共に授業のLIVE映像をみるものやマンツーマンのレッスン、少人数のクラスなどがある。時間も様々で、短時間のものから実際の留学に近いタイムスケジュールで行われるもの、短期間のものなどもある。今回は、筆者と友人の経験談を元にまとめていきたいと思う。

1.【オンライン留学】 韓国

 まずは筆者が経験した、韓国にある慶熙(キョンヒ)大学でのオンライン留学を紹介する。

 慶熙大学では、昼間課程、夜間課程、週末課程、ハングル入門の4種類のプログラムが用意されていた。

 「ハングル入門」は、初心者向けの講座となっており、一日に2時間、毎週月~木、2週間の講義で計16時間となっている。この講義は14時からの昼間と19時からの夜間のどちらかの時間帯を選択でき、「昼間課程」「夜間課程」「週末課程」はすべて10週間の講義であり、それぞれ授業時間が異なる。「昼間課程」は毎週月・水・木曜日の14時~16時(計60時間)、「夜間課程」は毎週月・水・木曜日の19時~21時(計60時間)、「週末課程」は毎週土曜日の9時~12時(計30時間)となっている。韓国語授業のほかに、韓国文化特別講義やトウミ活動がある。トウミ活動とは、慶熙大学の在学生(韓国人学生)とペアになり、文化交流を行える活動だ。この中で、私は「夜間課程」を受講した。

  時間帯 期間 金額
ハングル入門 毎週月~木
1日2時間
(14時~16時/19時~21時)
2週間
(計16時間)
200,000ウォン
(約2万円)
昼間課程 月・水・木曜日
14時~16時
10週間
(計60時間)
660,000ウォン
(約6万6千円)
夜間課程 月・水・木曜日
19時~21時
10週間
(計60時間)
660,000ウォン
(約6万6千円)
週末課程 毎週土曜日
9時~12時
10週間
(計30時間)
360,000ウォン
(約3万7千円)
現地での留学
(韓国外国語大学の語学堂)
月~金
9時~13時
1学期
約3か月
1,500,000ウォン
(約15万円)

メリット

 韓国のオンライン留学では3つのメリットが挙げられる。

(1)時差がない
1つ目は、リアルタイムで講義が受けられる点だ。韓国は時差がないため、夜間過程では学校終わりや仕事終わり、休みの日などに受講することができる。そのため、年齢は大学生だけでなく、中学生から社会人の方まで幅広い年齢層の生徒が受講していた。

(2)コスト
2つ目は価格である。実際に留学に行くよりも、安くで受けられる点は大きなメリットだ。授業時間が通常の留学よりも短いため、授業料も安く6万円程度に抑えられる。また自宅から受けられるため、渡航費や寮費などは必要なく、パソコンさえあれば受けることができる。

(3)リアルな韓国語
3つ目として、オンラインではあるが現地のネイティブの先生に教わることができ、友人も作ることができることが挙げられる。日本にいると現地の方と関わる機会が少ないため、良い点であると考える。

デメリット

 デメリットとしては、主に3点あげられる。

(1)語学力
まず、語学力の向上率である。実際に留学に行くと、現地に住むことになるため、生活するうえで日本語に触れる機会が少ない。しかし、オンラインだと、気軽に受けられる一方で、韓国語(外国語)に触れる時間は、どうしても短くなってしまう。よって、向上率や学習における効率は下がっていると考える。

(2)友人関係
もう一つは、日本人の生徒しかいなかった点だ。そもそも、日本人用に用意された授業とも考えられるが、留学の一つの楽しみである「海外の友人を作ること」は難しいようだ。現地での語学堂の場合は、日本人だけでなく、中国、ベトナム、ロシア、アメリカ、カナダ、ブラジルなど様々な国からの学生がいるが、オンラインプログラムでは多文化交流は難しい。また期間が通常の留学よりも短く、非対面授業であるため、親しくなることも難しい場合が多いと思われる。

(3)ネット環境
オンラインでの授業であるため、インターネットやパソコンは自身で用意する必要がある。また、回線の問題等でラグがあったり、接続できないなどの問題がある場合が出てくる恐れもある。

 このように、もちろんデメリットもあるが、近年非常に人気となっている、K-POPや韓国ドラマが好きで、韓国語に挑戦してみたいと思っていた方にとっては、簡単に始められ、実力もついてくるため非常におすすめだ。

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