宮迫博之、中田敦彦、藤田ニコル……有名芸能人を起用した“テレビ品質のYouTube番組”なぜ増加?

 芸能人のYouTube参入が相次ぐ昨今、YouTubeをプラットフォームにしたテレビライクなコンテンツが増えつつある。

 編集技術の発展・高度化やプラットフォームのアップデートなどによって多様化するYouTubeの表現手法。最近では、アスペクト比「9:16」の画面を特徴とする1分以下のコンテンツ「YouTubeショート」が隆盛しているが、その一方で、芸能人YouTuberたちによる「YouTube番組」とでもいうべき動画が活況を呈しつつある。

 代表的なYouTube番組が、オリエンタルラジオの中田敦彦×雨上がり決死隊の宮迫博之によるトークバラエティ「Win Win Wiiin」や、宮迫による料理バトル番組「有頂天レストラン」、藤田ニコルによる美容番組「Beauty Class@nicoroom」(以下、nicoroom)など。いずれの番組もテレビクオリティのセットで撮影が行われている。5月21日配信の「nicoroom」にEXITがゲスト出演した際、同コンビの兼近大樹は、スタジオのカメラが6台体制であることに触れ、「これすごいわ。俺らが地上波でやってる番組よりカメラがある」と驚いていた。

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 YouTubeのいち動画に豪華なセットと潤沢な人員を投じられるのは、マネタイズがしっかりとしているからにほかならない。実際、「Win Win Wiiin」と「有頂天レストラン」では、毎回、宮迫と中田が協賛企業の商品・サービスを紹介する“プロモーションの時間”が設けられているし、「nicoroom」に関しても、藤田が美容商品を紹介するCMパートが時折付帯される。スポンサーが自社の商品・サービスをPRする代わりに、それ相応の広告費を支払っているからこそ、番組のクオリティが保たれていることがよくわかる。

 YouTubeにおいて、こうした芸能人を起用したテレビバラエティ風のコンテンツは、これまでにないわけではなかったが、あまり注目を浴びることがなかった。その理由は、プロモーション不足、番組としての引きの弱さなど、様々考えられるが、一つ大きな理由として、登録者数の多い強力な芸能人YouTuberのチャンネルをプラットフォームにし、そのタレントをメインMCに据えて番組を作るという方法論が確立されていなかったからではないだろうか。

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