認知症を患ったAIとの会話で看護スタッフの負担を軽減……世界初のAIアバター誕生の背景を探る

 認知症関連の研究が随所で進められているとはいえ、認知症という病気自体はその原因がいまだ解明されておらず、また治療法も確立されていない未知の領域だ。そんななか昨年9月には、イギリスのカーディフ大学の研究グループはアルツハイマー病の原因に関わる遺伝子上のリスク因子を特定する新モデルの開発に成功している。

 また、近年では社会問題にもなっているゲームだが、アルツハイマー病の治療の面では有力視されている。例えば英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンやイーストアングリア大学の研究者らによって開発されたスマートフォンゲームアプリ「Sea Hero Quest」はそのひとつだ。そのゲームでは海上に浮かぶボートをどう動かせば良いかが求められるわけだが、空間認知を司る脳の部位に着目することで、既存の検査に比べより正確にアルツハイマー病の発症の有無を見破ることが可能であるという。

 日本国内では、2025年には高齢化が加速化し、後期高齢者の人口が約2200万人にのぼるとも言われている。今後も認知症関連テックから目が離せない。

■大澤法子
翻訳者、ライター。AI、eスポーツ、シビックテックを中心に動向を追っている。

〈Source〉
https://www.dementia.org.au/about-us/media-centre/media-releases/world-first-ai-avatar-dementia-education-set-improve-care
https://www.cardiff.ac.uk/news/view/1767180-scientists-design-new-model-to-further-understand-causes-of-alzheimers-disease

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