水溜りボンドと考える“次世代YouTuberの育成” 「裏方気質を持っていないとうまくいかない」

 人気動画クリエイター・水溜りボンド(カンタ、トミー)が“次世代YouTuberコンビ”を発掘&育て上げる新番組『水溜りボンドの青春動画荘』が4月16日より、ABEMAにて配信スタートした。第一回から、それぞれに強い個性を持つ出演者をめぐる、想像以上に熱いドラマが展開されて話題になっているが、彼らに課題を与え、真剣に向き合う水溜りボンドの表情も大きな見どころだ。

 リアルサウンドテックでは、そんな水溜りボンドの二人を直撃。動画クリエイターコンビとしてトップを走り続ける二人は、後進のクリエイターたちの奮闘に何を思うのか。二人はなぜ、これほど多くの人々に愛されるコンビになることができたのか。番組の注目ポイントからコンビとしての2021年の目標まで、じっくりと話を聞いた。(編集部)

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「コンビに大切なのは“同じ熱量を持っているか”」(トミー)

――『水溜りボンドの青春動画荘』第一話、楽しく観させていただきました。YouTuberとしてのブレイクを目指す参加者と誠実に向き合いながら、笑いどころもしっかり作る……という意味で、お二人ほどの適任はいないと思ったのですが、初回から厳しい“ダメ出し”という辛い役回りもありました。

トミー:辛かったですね。僕らも日々めちゃくちゃ悩みながら動画を作っているので、葛藤もよくわかるんです。初回はコンビで動画を作ってもらい、僕らが初見でどこまで止めずに視聴するか、という“視聴継続率”がテーマになっていて、もちろん全部最後まで観たかったんですけど、きちんと甲乙をつけなければいけないので。

カンタ:動画を客観的に評価する上で、どんな意図が込められているとか、その裏にどんな努力があったとか、そういうことはあえて“汲まないように”しなければいけなくて。でも、一生懸命作った動画を途中で切ってしまうのはやっぱり申し訳なかったです。

――評価が思うようなものではなく、涙を流すクリエイターもいました。

トミー:最初の動画からそれだけの思い入れを持てるのは、本当にすごいなと思いました。きちんと応援していきたいですね。

――さて、そもそもお二人が『青春動画荘』に参加することになった経緯と、最初に抱いた率直な感想を聞かせてください。

トミー:もう一年以上前になるんですけど、「YouTubeで話題になる新しい人が出てきたらいいですよね」という話をしているなかで、ABEMAさんでこういう番組が立ち上がることになって。MCのような立場でかかわらせていただけるということで、最初から楽しみだったんですが、正直「大丈夫かな?」という思いもあったんです。

 というのも、YouTuberというのは基本的に目立ちたい人が目指しがちだと思うんですけど、実際は裏方をやっている時間の方が何倍も、何十倍も長いので、実は裏方気質を持っていないとうまくいかない。どんな人たちが集まるのかな……と思っていたら、想像をはるかに超えるくらい、演者としても、裏方としてもYouTubeにきちんと向き合う人が来てくれて、より楽しみになりました。


カンタ:そもそもYouTubeというものの性質として、ドキュメンタリー性があるじゃないですか。それをさらにドキュメンタリーにする、というのはすごくむずかしいんじゃないかと思うんです。ただ、実際に収録をさせていただいて、これは面白いと思いました。広く「YouTuber」という言葉が浸透したいまだからこそ、もう一歩踏み込んだ内容にできるというか、もう少し早かったら「そもそもYouTuberというのがよくわからないし、その裏側と言われても……」という感覚で受け取る人も少なくなかったのかなって。

――なるほど、まさに今だからこそ楽しめる番組だということですね。“相方探し”が一つの大きなテーマになっていますが、コンビとして成功するにはどんな人を選ぶべきでしょうか。

トミー:コンビで何より大切なのは、お互いのモチベーションが揃っているかどうかだと思います。YouTubeは何でもできるプラットフォームなので、「やりたいこと」が変わってもなんとかなるけれど、動画にかける熱量が変わってくると難しいところが出てくると思います。今回のように最初からYouTubeでの成功を目指すメンバーが集まる場では、同じ熱量を持った人は見つかりやすい。ただその後のことを考えると、「この人とだったら有名になれそう」という気持ちで相方を探してしまうと危険かもしれないですね。結果から逆算せずに、「この人と有名になりたい」と思える人と組むのがいいと思います。

――確かに、水溜りボンドのお二人は、当然お互いの能力を認め合いながら、それ以上に「人として好き」というか、常にお互いを面白がっていますね。

カンタ:そうですね。僕らはYouTuberになる前から大学のお笑いサークルでコンビを組んでいたんですけど、ネタの練習のとき以外もずっと話していたし、ラジオのパーソナリティをやらせていただいていても、「二人でしゃべっているのが楽しい」という感覚は変わらなくて。その時々で「結果を出したい」という気持ちはもちろんありますが、その基盤は絶対に変わりたくない、という思いがあるんです。その意味で、「動画荘」のみんなはカメラが回っていないところでも楽しそうにしているし、ただビジネスライクに相方を選ぶ空間になっていないのがいいなと思っています。

「足の速い人と一緒に走ったら自分も速く走れる」(カンタ)

――動画の制作過程を追体験できるのもこの番組の面白さだと思いますが、どんなコンビよりも動画を撮ってきたお二人はその様子をどう見ていますか。

トミー:僕らも視聴者の皆さんを楽しませるために試行錯誤しているし、やっぱり共感してしまいますよね。一緒に頑張ろうと思うし、僕らの方がかえって刺激をもらえて。あと、このご時世もあって撮影の間が空いたりして、その期間に人間関係も深まっているので、それがどう動画に反映されていくかも楽しみですよね。僕、撮影のたびにめちゃくちゃ髪型が変わっているので、どれくらい時間が経過しているかはそこを見てもらえれば(笑)。

カンタ:形としては先生的なポジションなんですけど、やっぱり“自分がここにいたらどうするだろう?”って考えちゃいますね。みんなのSNSやTikTokをチェックしたんですけど、それぞれに能力が高いんですよ。もし僕らと同じ世代にいたら化け物だぞ!というクリエイターばかりで、「YouTuber」という言葉もなかった時代に始めた僕らと、最初から「YouTuberとして成功すること」を目指す世代では、やっぱり大きな違いがあるなって。そのなかで僕らが伝えられることをきちんと整理して、いい動画クリエイターになってもらうための手助けができたらいいなと思っています。


――同じ目標を持ったクリエイターが集まり、切磋琢磨しながら動画制作に向き合えるというのは、恵まれた環境と言えるのかなと思いました。

トミー:そういう仲間はめちゃくちゃ大事ですね。自分たちがYouTubeを始めたとき、一緒に伸びようと頑張ってきたクリエイターたちって、いまも本当に絆が強くて。自分のためだけでなく、YouTubeを盛り上げるために頑張ろうという思いを共有できる人たちがいるのは、本当に幸せなことですし、心強いですね。

カンタ:数字がストレートに出る世界なので、ただ仲間だというだけでなく、めちゃくちゃライバルでもあるんですよね。ただ、トミーも言うように「一緒にYouTubeを盛り上げたい」という思いは共通していて、全員で速度を上げて走ってきた感覚があって。足の速い人と一緒に走ったら自分も速く走れるというか、一人だったらここまでできなかったと思います。競争があるからこそ、クオリティは上がっていくものだと思うので。

トミー:そういう意味で、動画荘から出たコンビが1組だけ有名になるのではなく、競い合うようにみんなで有名になっていくのが理想ですよね。難しいことだとは思いますが、その方がトップのコンビの天井も高くなる、というのは間違いないと思います。


――挿入歌になっているTTJ(TOSHIMITSU、JENNI、財部亮治)の「シャウト!」がよくハマっていて、動画荘メンバーの物語を盛り上げていますね。

カンタ:流れた瞬間に「やった!」と思いますよね。「シャウト!」は前向きなパワーがあるし、「サントラ」も歌詞が素晴らしくて、ある意味では番組が進んでいくごとに、そこで起こっているドラマをよりわかりやすく伝えてくれるというか。この曲の力を借りていい番組になっていくと思います。

トミー:それこそ、TTJはYouTuber同士が組んだボーカルユニットだし、YouTubeをみんなで盛り上げよう、という勢いがつきますよね。