水溜りボンド『ANN0』密着&インタビュー:止まらない二人が見据える“コンビとしての未来”

水溜りボンドANN密着&インタビュー

 2020年1月1日深夜、人気YouTube動画クリエイターの水溜りボンドが、新年1発目の『オールナイトニッポン0(ZERO)』でパーソナリティを務めた。2015年1月1日より、毎日投稿を続けてきた水溜りボンド。今やメインチャンネルの登録者数は420万人を突破し、トップクリエイターとして走り続けている。

 2019年は彼らの夢が多く叶った年でもあった。ハイクオリティな動画投稿を続けながら、幕張メッセをはじめとした大型会場でのイベントを成功させ、雑誌『Quick Japan』で表紙巻頭特集を飾り、SHIBUYA109のシリンダー広告を務めた。そして7月に『オールナイトニッポン0(ZERO)』に初挑戦。その高いトーク力への反響を受けて、今回のお正月放送へとつながった。

 今回、リアルサウンドテックでは生放送のスタジオに潜入。また、オンエア直後の彼らにインタビューを行なった。2019年末“水溜りハウス”を飛び出し、新体制で突き進むことを宣言した彼ら。果たして、水溜りボンドが見据える2020年とは?

水溜りボンド×ラジオリスナーの化学反応

 26時過ぎ、スタジオにやってきた水溜りボンドは、さっそくブース内で打ち合わせを開始。CM明けに流れるジングルを録音すると、今度は仲睦まじくスマホで動画を撮影し始める。そのときの動画が、トミーのアカウントで「ブースから皆様へお願い!!」というつぶやきと共に投稿されたツイートだ。

 ただでさえ話題満載なお正月。リスナーと共に「#水溜りボンドANN0」のトレンド入りに挑む。このツイートは、生放送を今か今かと待ちわびているファンたちによって、またたく間に拡散され、続々とつぶやかれていく。この一体感を生む力こそ、水溜りボンドの本領だ。

 ニッポン放送の建物内では、オンエア中のラジオ音声が響き渡る。25時から放送している『橋本環奈のオールナイトニッポン』がエンディングを迎えると「この後、深夜3時からは『水溜りボンドのオールナイトニッポン0(ZERO)』です」という言葉が。2人の固くなっていた表情が、心なしか緩んだように見えた。そして27時59分、ヘッドホンを装着。

 「1、2の3……」スタッフのキューが出ると、2人は息を大きく吸い込み「水溜りボンドのオールナイトニッポン0(ZERO)!」と元気よくタイトルコールを読み上げた。そして「橋本環奈さん、お疲れ様でした」と台本通りに語りかけるトミーに、「お疲れ様でした、とか言うな!」とカンタ。水溜りボンドらしい掛け合いが繰り広げられ、徐々に緊張が和らいでいく。


 「#水溜りボンドANN0」がトレンド3位に入ったという情報を聞けば、カンタが「すごい、いけー、登れー、駆け上がれー!!」と大興奮。リスナーから深夜ラジオならではの愛あるイジりが続々届き、メール文面が印刷された紙をトミーがビリビリに破くパフォーマンスも飛び出す。だが、よく見ると破いているのは余白の部分。さすが「YouTube界のNHK」との異名を持つ、根が真面目な水溜りボンドだ。

 積極的にメールを読み上げていく2人にリスナーも、粋なレスポンスで応える。気づけば『水溜りボンドのオールナイトニッポン0(ZERO)』は、“無人島に行くアメリカ人とチャーハン職人による、パーカーとチャーハンの通販番組”という謎番組に仕立て上げられてしまう事態に。全リスナーの盛大なボケに、カンタが翻弄され、トミーのツッコミが炸裂するという、新たな化学反応が生まれた放送だった。

「みんなの代わりにやってる」を“背負ってる”

 視聴者が自ら選んで見に行くYouTube動画と異なり、ラジオはつけていたら耳に飛び込んでくるメディアでもある。この日たまたま聴いていたという人に向けて、彼らは自分たちをこんなふうに紹介した。

 「秘密基地の最強バージョンを作りたい、友達の誕生日にサプライズをしたい……誰もが思う『やってみたい』を一般の兄ちゃんたちが代わりにやって、10分くらいの動画にまとめてる。『本当にやるのはいいわ』となるところを、本当にやるのがYouTube動画クリエイターである」と。

 「本当にやるのはいいわ」となるのは、実際にやるのは大変なことだから。もちろん、彼らだってそれは同じだ。番組内では「話してるときがピーク」「いざ、やるとき全然楽しくない」との本音も溢れる。毎年恒例となっている無人島企画や、お互いに仕掛けるドッキリ企画、そのほかの動画も年々そのスケールが大きくなり、ついにトミーはおそらく日本人動画クリエイターとしては初となる南極大陸に上陸してしまった。

 そんな途方もない労力をかけて実現してきた理由を、「背負ってる、(みんなの)“やってみたい”を」と語っていたのが印象的だった。多くの人が「やってみたい」「見てみたい」を代わりに実現していくという使命感。そして、彼ら自身が抱く想いが自然と重なるから彼らの動画はネタが尽きない。

 今回のラジオも、気づけば「よく知るトミーとカンタがラジオの生放送を乗りきるところが見たい」「自分たちの手でお正月にトレンドワード1位をかっさらう体験がしたい」と、彼らの願いがリンクした形に。だからこそ、水溜りボンドの夢は次々と叶っていくのだろう。

 「楽しかった」「またやりたいな」ホクホクした表情で1時間半のオンエアを終えた2人が、そのままブースでインタビューに応じてくれた。

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