連載:ゴールデンボンバー歌広場淳の「続・格ゲーマーは死ななきゃ安い」
歌広場淳が語る“全国ツアーとゲーム配信の相乗効果” 「この環境、ゲームをやるのに打ってつけじゃない?」
大のゲームフリークとして知られ、ゲーマーからの信頼も厚いゴールデンボンバー・歌広場淳による連載「続・格ゲーマーは死ななきゃ安い」。現在、“本業”であるゴールデンボンバーの全国ツアー「楽器を弾いたらサヨウナラ」を開催中。その公演先からも積極的にゲーム配信を行い、ファンを楽しませている。ツアー先でのエピソードから現在ハマっている新作ゲーム、“ライブと配信の相乗効果”まで、じっくり語ってもらった。(編集部)
この環境、ゲームをやるのに打ってつけじゃない?
昨年来、コロナ禍でライブ活動が制限されてきたなかで、3月4日の東京公演から、ゴールデンボンバーの全国ツアー「楽器を弾いたらサヨウナラ」がスタートしました。ようやく全国を回れて最高に楽しいのですが、例年と違うのが、外出を自粛していて、その土地ならではのものと触れ合うということがなかなかできない、ということ。食事も各地の名産品を食べ歩く、ということができず、ほとんどホテルで過ごしています。
それは残念なことではありますが、「ツアー先で能動的に引きこもることになるんだ」と考えたときに、ふと気づいたのが、「この環境、ゲームをやるのに打ってつけじゃない?」と。このコロナ禍で何か自分にできることはないかと考えた結果、昨年末、ライブ配信プラットフォーム「Mildom」にチャンネルを開設し、本格的にゲーム配信を始めたこともあり、タイミングが合えばツアー先からも配信をしよう、と思っていました。ホテルから、ということでなくても、いまは全国にゲーミングチームやコミュニティスペースがありますし、何やら楽しいことができるかもしれないと。
そしてさっそく、東京に続くツアー2カ所目の沖縄からゲーム配信をしました。現在沖縄を拠点に活動している往年の強豪格闘ゲームプレイヤー/タレントのキャメイ(サンミュージック所属)さんに「現地にゲーム配信ができるスペースはありますか?」と声をかけてみたところ、eスポーツ専門チーム「OKINAWA THE WAVE gaming」のスタジオを紹介していただけることに。さらに偶然、Mildomの公式配信者で、これまで数々の格ゲーで名を馳せてきたトッププレイヤーの金デヴさんがキャメイさんを訪ねて沖縄にいらっしゃっていて、「一緒に配信しましょう」と。偶然も重なり、トントン拍子に話が進んでいったんです。
面白かったのは、沖縄県在住の人気YouTuberグループ「ハイサイ探偵団」のメンバーで、格ゲープレイヤーでもあるお塩さんと対戦できたこと。「ツアー先でゲーム配信」という試みは面白いけれど、インドアな遊びだし、地域色を出すのはなかなか難しいだろうと思っていたなかで、「地元のプレイヤーと戦う」ということができて、今後への大きなヒントになりました。
ツアー先で地元の人と触れ合い、その地域ならではの空気に触れることができると、ライブへのモチベーションも上がります。配信の流れでライブを見にきてくれた金デヴさんに「僕の知っている歌広場さんとは別人だった!」と言われて、「いや、こっちがメインなんですけどね(笑)」と笑いましたが、バンド界隈から格ゲー界隈まで、様々なジャンルを行き来している僕が、“別の自分”を知ってもらうきっかけができたのも嬉しくて。いまは「ゴールデンボンバー・歌広場淳」に興味を持ってくれて、そこからゲーム配信を見てくれている人が多いと思いますが、逆に、「ゲーマー・歌広場淳」からゴールデンボンバーを好きになってくれる人が出てくる状況が作れればいいなと思うんです。
話題の新作ゲーム『Valheim』にガチハマり
また、ツアー中のゲーム配信で、オープンワールド型の人気サバイバルゲーム『Valheim(ヴァルヘイム)』を始めました。『ストリートファイターV』を延々とプレイしていてもいいのですが、配信を見てくれている人に楽しんでもらうためには”味変”も必要だと思っていて。ゲームは基本的に自分のためにやるものですが、「見てくれる人のために」という意識を持つことで、また別の楽しみが生まれるということがわかりました。
『ストリートファイター』のキャラクターで言えば、リュウのようにひたすら自分と向き合って修練するのもいいけれど、そのライバルであり、僕の使用キャラクターでもあるケンのように、他の何かのために戦う人の方が、瞬間的にはすごい力を発揮することがある。僕も『Valheim』をプレイするときは、一人でゲームをするときのようにうまくやろうとせず、「とにかくやってやれ!」という思い切ったプレイで、配信はかなり楽しいことになっています。
ちなみに、このゲームがあまりに面白いので、青森公演が終わったあと、FEST VAINQUEURというヴィジュアル系バンドのギタリスト・GAKUくんに連絡して、明け方までマルチプレイで遊んだりもしました。そのとき、「あ、いまゲームにハマってるわ」と実感したんです。配信のために始めたゲームを配信外で一生懸命プレイしているんだから。同業で時間の感覚がほとんど同じで、しかも格ゲーも含めたゲーム体験も似ている仲間がいるというのは、本当にありがたいことです。