東海オンエア発ユニット「リサイタルズ」が新曲で見せた“好きの結晶” K-POP風の名曲を徹底解説
プロの仕事×素人の「好き」=「隙」の中毒性
曲も、スタイリングも、映像も、ダンスも……プロが集結して作り上げた完成度の高い作品の中で、エース(しばゆー)らしさが光る歌詞にも注目したい。〈火山灰肌塗ってる〉〈肩甲骨が Just why 裏返った〉〈静脈バンバン恋のせい〉〈涙もったいねえわ 素うどんつけて食う〉など、わかるようでわからない言葉たちから目が離せなくなる。
ちょっと目を閉じて聞けば、空耳的にK-POPソングにも聞こえなくもないのは、日本語でいう「あかさたなはまやらわ」に当たる「ガナダラマバサ」の音が頻繁に入っており、そして「ってる」「った」という詰まる音が組み合わさっている語感のよさからだろうか。
美しく仕上げられたプロの仕事の中に、一つだけなんちゃって感のある素人の「好き」が混ざる。そのミスマッチによって視聴者にツッコませる「隙」が生まれる。そして、その「隙」があるからこそ、リサイタルズは自己満足の極みでありながら、視聴者が愛でる気持ちに繋がることができるのだ。
3月20日には、前作と今作に渡って撮影されたメイキング映像も公開された。実に54分超えの大作だ。このリサイタルが、どれほどの労力をかけて作り上げられているのかを見れば、さらに愛しさが増してくる。いいぞ、もっとやれリサイタルズ。「好き」を力に、大真面目なボケと、心が熱くなる仕事を、これからもどんどん私たちに見せてほしい。