値下げ発表の「ahamo」に決めるのはまだ早い? 4大キャリアのスマホ料金新プランは、結局何が違うのか
ソフトバンクの「LINEMO」。こちらは3月17日にサービス開始となる。
ベーシックな料金体系は、データ通信量20GB・2480円/月。ただし、LINEのトークとLINE電話(音声通話・ビデオ通話)がカウントフリーとなるので(特にLINEユーザーにとっては)事実上、3社の中ではギガ当たり最も安い単価になる。
LINEMOには、「ソフトバンク」「Y!モバイル」との家族割引の適用はないが、単身でLINEをよく使うユーザーにはうってつけのプランになるだろう。なにしろ、いくらLINEトークをいくら使っても、何時間LINE通話で話しても「ギガ」が減らないのだから。
また、夏からは、LINEスタンプ(クリエーターズスタンプ)が使い放題になるLINEMOスタンププレミアムベーシックコースを追加料金なしで利用可能になる。
料金オプションに関しては、5分間通話し放題が月額500円、時間制限のない通話定額は月額1500円でオプション追加可能だ。また、「通信量の追加チャージ」も1GBあたり500円で購入できる。
なお、LINEMOは、WebだけでなくLINEからも申し込みが可能。eSIMであれば即日開通も可能……なのだが、問題は、利用できる端末に関してだ。
LINEMOは利用できる端末は「Y!モバイル」で使えるものは使えるとしている。が、この夏にも不要になる予定とはしているものの、サービス開始から当面の間は、ソフトバンク⇒LINEMO、Yモバイル!⇒LINEMOへの乗り換えにはSIMロック解除が必要になる。ソフトバンクを使っていたからLINEMOのSIMを手に入れさえすればすぐ使える、というわけではないのだ。
SIMロックフリー機を持っていれば話は別だが、この辺りは使用に当たって注意が必要だ(LINEMOに合わせて今のうちに手持ちの端末をロック解除しておくのもいいかもしれない)。
3月23日にサービス開始が決まったKDDIの「povo」も、素のプランではデータ量20GB・月2480円だ。
月20GBのデータ転送以外のオプションは基本、「トッピング」と言って別途料金を払う構成となっており、たとえば、「5分以内通話かけ放題」月500円、「通話かけ放題」月1500円、「データ1日使い放題」24時間で200円などとなっている。
また、トッピングの種類は順次増やしていくとのことで、例として将来的には「2時間 ムービー見放題」「24時間 SNS使い放題」といったものも登場させたいとしている(が、時期等具体的になっていない辺り、見切り発車感がしないでもない)。
家族割などに関してはpovoは変則的で、原則的にはauの家族割や家族割プラスには含められない……はずが、「早期契約特典」として2021年夏までに契約した場合、家族割プラスのカウント対象人数には含められることとなった。つまり、povoの契約者本人の料金が安くなることはないものの、同居家族のau回線の料金は割引されることになる。ただし、家族間通話無料は対象外だ。ここはahamoのそれと混同しないよう気をつけないといけないだろう。
また、端末に関しては、端末のセット販売はサービス当初を行わない。au 4G LTE・5G対応端末であれば利用できる予定だが、こちらも、auやUQ mobileブランドで販売されているSIMロックのかかった端末での利用については「対応を検討中」となっているのが不安材料だ。
povoに関して言えば「データ1日使い放題・24時間で200円」トッピング辺りがキモだろう。povoにはテザリングの制限がない。たとえば、すでWi-Fiのない環境でテザリングを行ってPCで通信を行いたい日などに使えば非常に有効に使えるはずだ。この辺りを使いこなせるユーザーにはpovoはありがたい存在になるだろう。
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■大和哲
IT&サイエンスライター。モバイルとガジェットとバーガーキングをこよなく愛しています。Web:http://ochada.net/Twitter:@deyamato