配信でしか味わえない乃木坂46のライブの魅力 『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』はオンラインで楽しんで

 乃木坂46が2012年2月22日にシングル『ぐるぐるカーテン』でメジャーデビューを果たしてから今年で9周年。毎年この時期になると、その時点での全楽曲をすべて披露するスペシャルライブ『BIRTHDAY LIVE』を実施してきたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大という現在の社会情勢を鑑みて、初のオンライン開催にシフト。2月23日に「ABEMA」の「ABEMA PPV ONLINE LIVE」などの動画配信サービスで『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』を配信し、その前日22日には前夜祭となる『9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~前夜祭~』をそれぞれ生配信する。

 ここ数年の『BIRTHDAY LIVE』はスタジアム/ドーム規模の会場で数日間にわたり開催されており、特に昨年は名古屋、一昨年は大阪と地方開催が続いていた。また、その開催日も平日にまたがることも多く、なかなか気軽には足を運べなかったというファンも少なくないはずだ。もっと言えば、チケットを入手できなかったという方もいるだろう。

 2020年の乃木坂46は2月21〜24日にナゴヤドーム(現・バンテリンドームナゴヤ)で『8th YEAR BIRTHDAY LIVE』を行って以降、コロナの影響でライブ活動を休止。本来なら同年5月に東京ドームにて実施予定だった白石麻衣の卒業コンサートも延期となり(のちに、10月28日に無観客配信という形で決行)、2013年から毎年夏に開催してきた『真夏の全国ツアー』も初めてお休みという形となり、12月18〜20日に日本武道館で敢行したアンダーライブが約10ヶ月ぶりの有観客公演という、異例尽くしの1年となった。

 その代わり、乃木坂46もほかのアーティスト同様に無観客有料配信ライブを2020年後半にいくつか実施している。そのひとつが先に記した白石麻衣の卒業コンサート『NOGIZAKA46 Mai Shiraishi Graduation Concert 〜Always beside you〜』で、もし有観客で行われていたらプレミアチケットと化していたであろうライブを複数のプラットホームを通じて誰もが目にすることができたのは、ある意味ではラッキーだったのかもしれない。また、12月6日には新4期生を含む16人編成による『乃木坂46 4期生ライブ2020』も配信。結成10周年に向け、乃木坂46の未来を担う次世代メンバーの躍進を確認できたことだろう。さらに、久しぶりの有観客ライブとなった『乃木坂46 アンダーライブ2020』は有料生配信も並行して行われたので、会場での観覧にまだ不安を覚えるというファンも自宅から安心して楽しめたのではないだろうか。

 そういった経緯を踏まえつつ、改めて今年の『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』と向き合ってみると、こういう時期だからこその演出も用意されていることに気づく。まず、今年は各期別のコンサート(4公演)、そして全メンバーでのコンサート(1公演)が予定されており、2月23日の公演は全メンバー参加で行われることになる。期別で実施される今後のスケジュールおよび内容も気になるところだが、まずは目前に迫った全メンバー出演公演で乃木坂46のデビュー9周年をお祝いするところから。“乃木坂46の顔”として長きにわたり第一線で活躍してきた白石卒業後初の全体ライブ、さらには現在発売中のシングル『僕は僕を好きになる』に伴う活動を持ってグループを離れる2期生・堀未央奈が出演する最後の全体ライブにもなる。もっと言えば、新4期生が本格的にパフォーマンスに加わる初めての全体ライブでもあるわけだ。3期生の山下美月が初めてセンターを務める26thシングル『僕は僕を好きになる』を発表した直後ということも重なり、活動10年目の節目に次のディケイドに向けた新たな一歩を刻む重要なライブになることは間違いない。そんな貴重な公演を自宅から、オンライで視聴することができるのはなんともラッキーなことではないだろうか。もし叶うならば、この9年間で乃木坂46に少しでも興味を持ったことがある人すべてに見届けてもらいたい。

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