なにわ男子、YouTubeでも大躍進の理由は? 藤原丈一郎&高橋恭平の誕生日動画から分析
ジャニーズJr.チャンネルに参戦した、なにわ男子の人気が加速している。2月16日に更新した動画『【丈一郎&恭平の誕生日をお祝い】手作りチョコ対決!』はアップされるなり急上昇ランク入り。再生回数も76万回を突破(2月20日現在)と勢いを感じさせる数字を叩き出している。
なぜこれほどまでに、なにわ男子のYouTube動画は伸びるのか。まず、言えるのは彼ら自身が、かねてよりYouTubeに親しみを持っていること。前回の動画でパパラビーズ、みきおだ【MIKIODA】と人気YouTuberたちとのコメント欄共演があったのも、彼らの動画を見ていることを伺わせる言動が随所に見られたから。他にも、なにわ男子のやりとりには「あのYouTuberっぽい!」と感じさせるノリがある。それがYouTubeをよく見ている視聴者層にも親近感を抱かせるフックになり、グループのファン以外の興味も引きつける。ジャニーズJr.というキラキラとしたアイドルでありながら、同じものを見て、同じように楽しいと感じている等身大の男の子たちが、一体どんなことをやってくれるのか……そんな期待に繋がっているのではないだろうか。
そして何よりも、その期待に応えるだけのポテンシャルが彼らにはあるということ。その支柱となっているのが、ツッコミ兼MC役をこなす西畑大吾。メンバーと共に全力でノリながらも、冷静に進行していく感覚の良さ。今回の動画では、手元の台本がチラリと見える瞬間があるが、そこにはカラーマーカーでラインが引かれているのが確認できた。かねてより演技の面でも高い評価を得てきた西畑。その努力のあとから、求められている役を完璧にこなす、仕事のできる男っぷりが伝わってくる。
その西畑が上手にさばいていくのが、個性豊かなメンバーたちだ。まずは、リーダーでありながら一番のいじられ役という大橋和也。前回の動画でも、独自のリーダー論として「リーダーとは“みんなの後ろを歩いて道が逸れたらパッとする“」と答えていたのが印象的だった。かつての「先頭に立ってみんなを引っ張っていく」というリーダーとは一線を画する考え。だが、それゆえにメンバーが遠慮なく自分の考えを言える空気を作り出している。
そして大橋自身も肩肘張らずにいられるのは、共に歩んできた藤原丈一郎の存在抜きには語れない。藤原は2004年に事務所に入り、今年でジャニーズ歴17年というベテラン。そのキャリアを感じさせるのが細かなボケの拾い上げだ。大橋の天然発言もしっかりと拾い、ときにはツッコんだり、他のメンバーにパスを回したりと、西畑とはまた別の角度から全体の流れを把握して笑いにつなげる。西畑にだけ会話のボールが集中しないのは、そして大橋だけがリーダーの大変さがのしかからないのは、藤原がいてこそだろう。
そんな頼れる年長組のもとで、自分らしさを磨いている年下メンバーたち。その筆頭は、大西流星ではないだろうか。昨年10月にバラエティ「あざとくて何が悪いの?」(テレビ朝日系)に出演するや、MCの山里亮太(南海キャンディーズ)、田中みな実、弘中綾香を悶絶させた“あざとかわいい“仕草は、今回の動画でも健在。チョコレート作りをしながら中継風にコメントするのだが、その言動は「プロ女子アナ!」と絶賛したくなる機転の良さと愛らしさ。大西を見ていると、性別で「カッコいい」と「かわいい」を区別する意味も、ほとんどないように感じる。その新しい時代の「愛すべきもの」代表としてこれから羽ばたいていってくれる予感がする。
続いて、最年少である長尾謙杜もまたのびのびとした様子が印象的なメンバー。今回の動画で西畑が「『SMAP×SMAP』をイメージしてたのに全然ちゃうな」と言わせたのは、開始早々「もう完成するんちゃうん!」と叫んだ長尾のガヤだ。全く躊躇することなく発言していく長尾の存在は、年上組のリズムをしっかりと乱し、想定の範囲内に収まらない展開へのきっかけとなる。この先、なにわ男子がさらに活躍していった先も、長尾がお決まりにとらわれない奮闘を見せてくれることを期待せずにはいられない。
その長尾とペアを組んだのは、道枝駿佑。西畑と同様に演技力で注目を集めるメンバーだが、YouTube動画ではその評価を感じさせない素朴さが逆に魅力的だ。動画内の冒頭ではバレンタインデーには「義理チョコ2個しかもらったことがない」と明かした道枝に対して、高橋恭平が「40個」という華々しい記録を発表すると「1個くれよ」とコメント。そのあまりに自然体なリアクションが、笑いをひとつでも多く取っていこうという熱量の高いメンバーの中で、ホッと一息つくオアシスのような存在になっている。それはメンバーにとってもきっとそうで、道枝が調理対決を前にグルグルと腕を回し始めると、いつのまにかメンバーも同じ動きをしてしまっていた。ガチガチに意気込むことなく、YouTubeらしく適度に力を抜いて楽しむことができるのは、素朴さを隠さない「ありのまま」を貫く道枝の存在があるように思える。