INFOBARなど「デザイナー監修スマホ」はどこへいったのか
デザイナー監修スマホはどこへ行ったのか
ここまで数多くのデザイナー監修スマホを紹介してきたが、残念なことに、ここ数年は停滞期に入ったといえる。デザインケータイのようなムーブメントは起こらず、スマホのデザインはすっかり影を潜めている状況だ。国内では、2017年6月にTrinityから発売された「NuAns NEO [Reloaded]」が、最後のデザイナー監修スマホといえるだろう。
そんな中、スマホのデザイン市場で活発な動きを見せているのが、中国の電子機器メーカー「OPPO」だ。
先日、佐藤オオキを中心としたデザインオフィス「nendo(ネンド)」と協力し、折りたたみ式のコンセプトモデル「slide-phone」を発表した。3段階に変化するデザインは、スマホの未来を感じさせる仕上がりで話題になる。
また、「OPPO」から独立した中国の電子機器メーカー「Realme」では、「au Design project」でおなじみの深澤直人が手がけた「Realme X Onion」「Realme X Garlic」が発売された。日本未発売だが、野菜から着想を得たスマホデザインは、これまでにない面白い試みだ。
近年、デザイナー監修スマホの主戦場は、国内から海外へ移り変わったといえるだろう。国内のデザイナー監修スマホは勢いをなくし、逆輸入のような形で日本に入ってくるようになったのだ。
次世代のデザイナー監修スマホの登場に期待
元々「au Design project」は、携帯電話市場の性能やデザインが均一化されたために始まったプロジェクトだ。その後、高いデザイン性が評価され、日本のデザイン市場に大きく貢献した。
現在のスマホ市場も、デザインが均一化され、似たような見た目が増えている。この閉塞感を打破するためには、「au Design project」のような次世代のデザインプロジェクトが必要といえるだろう。
今年は「INFOBAR」のコンセプトデザイン、「info.bar」の発表から20年目の年だ。「au Design project」の節目である年に、何か大きな動きがあることを期待したい。
そして、国内から新たなデザイナー監修スマホの登場を願う。
■菊池リョータ
個性派スマホを愛するライター。ガジェット系を中心に記事を執筆。デザイン性の高いスマホに目がない。
参考・画像引用
au Design project 15th Anniversary - Time&Space