Clubhouseは“ハラスメント”を助長する場か? 海外で起こっている問題から考える

 最近話題になっている、完全招待制の音声SNS『Clubhouse』。サービス開始から10ヶ月経過したいま、日本での電話番号認証が解禁されたことで、爆発的な盛り上がりを記録。App Storeでは無料アプリランキングのトップに上り詰めている。

 緊急事態宣言の再発令・延長と、新型コロナウイルスの感染者数が減少しない日本において、気軽にオンラインでソーシャル活動を営むことのできるプラットフォームとして注目されている。好きなチャットルームに自由に出入りすることでルームにいる人たちの会話を聞いたり、はては参加もできる。偶然性に満ちた遭遇や関係性は、リアルな世界で交わす他愛もない会話に似たものがある。

 しかし、同アプリはすでにプラットフォーム上で様々な問題を引き起こしており、それらの問題への対応や合法性に関しても、多くの議論がなされていることも認識して欲しい。

無法地帯化するClubhouseーーあるチャットルームは反ユダヤ主義発言を連発

 昨年の9月にあるチャットルームで行われた議論は、反ユダヤ主義を擁護する内容と化し、ユダヤ人ユーザーたちの多くはプラットフォーム上で身の安全を懸念していると話していた。アクティビストのAshoka Finleyによって主催されたチャットルーム“Anti-Semitism and Black Culture.”(反ユダヤ主義と黒人文化)は、テーマとしてそれぞれのコミュニティの共通性などについて話すという方向性だった。実際、議論の幕開けは「反ユダヤ主義の語源について学術的なバックアップを元に紹介する」という穏やかなスタートだったが、これはすぐに反ユダヤ主義的な発言へとエスカレート。モデレーターはこれらの反ユダヤ主義的な発言を行なったユーザーたちをミュート・ブロックしようとしたが、396人のユーザーが入室した部屋では規模が大きすぎ、コントロール不可能となっていた。このチャットルームは三時間ほど開放されており、多くのユーザーたちがツイッター上でこれらの発言についての懸念を示していた。

黒人女性の権利を軽視する環境か?

 昨年10月にフリーランスジャーナリストのWanna Thompsonは、Clubhouseで “Clubhouse isn’t our friend, it’s an app.”(Clubhouseは私たちの友達ではなくてただのアプリ)と題したチャットルームを開いた。ThompsonはClubhouseがプラットフォームとしてどう機能するかやアプリのアルゴリズムのメカニズムについての議論を促す目的だった。昨年の7月にMegan Thee Stallionを撃った罪の無罪を主張するラッパーTory LanezがClubhouseにプラットフォームを持っていることについての話題になったとき、ある男性ユーザーがTory Lanezを擁護する発言を始めた。この銃撃問題はアメリカでの黒人女性に対する差別と不当な扱いについての大きな議論のきっかけとなっており、Thompsonはチャットルームに参加している多くの黒人女性たちがこの男性ユーザーの発言によって気分を害すると判断しブロックした。しかしこの後、ユーザーはチャットルームに戻ってきて何度も発言リクエストを行なった。Thompsonは私のチャットルームに参加しているみんなが気持ちよく過ごせるよう、特に黒人女性たちの権利を守ることは重要だと話している。