Appleがポッドキャスト定額サービスを開発? Spotifyとのタレント争奪戦が勃発か
Appleがポッドキャストのサブスクリプションサービスを開発している可能性があることが分かった。
ポッドキャスト業界は激動の時代
AppleがSpotifyとの競争力を高めるためにポッドキャストのサブスクリプションを開発していると『MacRumors』が報じている(参考:https://www.macrumors.com/2021/01/15/apple-podcast-subscription-service/)。
Appleは長らく人気のPodcastsアプリを所有しており、MacとiOSプラットフォームでポッドキャスト配信サービスを維持してきたが、収益化はしてこなかった。しかし、この数年、ポッドキャスト市場は成長を見せている。Spotify等が急上昇しており、業界の統合が起こっている。
SpotifyはGimlet MediaやThe Ringer等、ポッドキャスト会社の買収に8億ドル(800億円)の巨額を投じており、The Joe Rogan Experienceといった人気ポッドキャストの権利も取得していると『The Information』は伝えている。
Appleは、有料のポッドキャストサービスで、Spotify、SiriusXM、Amazon(Wondery)といった他のプラットフォームからクリエーターをより高額の資金で引き抜く可能性がある。
将来的には、多くのポッドキャストが特定のプラットフォームの独占配信になり、サブスクリプション料金が発生する可能性がある。そしてAppleは、そのポッドキャストサービスを提供する先駆者的な地位を確立するかもしれない。
また、AppleがPodcasts+、Stocks+、Mail+といった新たな有料サービスに取り組んでいる可能性があると投資会社Loup Venturesのアナリストが報告している。
無料配信が広く支持される現状の打破は可能か
しかし、Appleはポッドキャストへのサブスク導入は慎重に進める必要があると『The Hollywood Reporter』は強調する(参考:https://www.hollywoodreporter.com/news/apple-mulls-podcast-subscription-push-amid-spotifys-land-grab)。
長きにわたり広告により支えられてきた業界で、多くのポッドキャスターは、無料で広くアクセスできることを支持している。スタートアップLuminaryといった有料ポッドキャストサービスに対する強い欲求をリスナーは、まだ示していない。1億4400万人の会員を抱える強力な音楽サブスクリプション事業を展開するSpotifyでさえ、ポッドキャストの有料化は差し控えている。
Appleは音楽、テレビ、ビデオゲーム、フィットネスビデオのサブスクリプションをすでに提供しており、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcade、iCloudの4つの定額サービスをバンドルしたApple Oneにポッドキャストが加わる可能性もある。
ポッドキャストをリードする新たなバンドルを活用すれば、ポッドキャストのサブスクリプションでAppleは成功できるとの見方を『LightShed』のメディアアナリストは示している。