『マリオ』シリーズ35周年で遊びたい 誰でも楽しめる間口の広いRPG『マリオストーリー』の魅力
『マリオ』シリーズといえば、日本では知らない人がいないほど有名なタイトルだ。定番のアクションからカーレース、パーティーゲームまでそのジャンルは幅広い。しかし、「マリオ」を題材にしたRPGがあることは、意外と知られていないのではないだろうか。今回は、マリオの隠れた名作RPG 『マリオストーリー』について紹介する。
”紙”で表現された絵本のような世界
『マリオストーリー』は、2000年に発売されたNINTENDO64用のアクションRPGだ。本作は後に続く『ペーパーマリオ』シリーズの記念すべき第一作目であり、キャラクターのほとんどが”紙”で表現されていることが特徴だ。フィールドは3Dであるものの絵本のようなタッチのグラフィックになっており、温かみのある雰囲気は小さな子供でも馴染みやすいといえるだろう。
また、キャラクターが紙であることを利用した演出も面白い。たとえば、マリオが空から落下するシーンではひらひらと紙のように落ちていくのが印象的だ。また、建物が倒壊する際にはペーパークラフトのように一つずつパーツが落ちていくなど、世界全体が紙で作られていることを意識した演出が見られる。
加えて、登場するキャラクターがどれも魅力的である点も評価が高い。本作ではマリオに同行し、戦闘やフィールド探索のサポートを行う仲間キャラクターが存在するが、郵便配達員として働く真面目な「パレッタ」、高飛車な性格の「レサレサ」など一人ひとり個性が強い。また、マリオの前に立ちはだかる敵キャラクターもどこか愛嬌があって憎めないキャラ付けがされており、絵本らしいグラフィックと相まってどこかハートウォーミングな世界観になっている。
アクションとRPGを組み合わせたゲームシステム
本作はアクションRPGと銘打ってはいるものの、戦闘はターン制のコマンドバトルとなっている。味方のターンと敵のターンを繰り返しながら進行するオーソドックスなRPGのシステムといえるだろう。
しかしながら、本作ではここにアクション要素をミックスしているのが特徴だ。たとえば、ジャンプ攻撃を行う際には敵にヒットする直前でAボタンを押すとダメージが増加したり、追加で何度も攻撃を加えたりできる。その他にも、スティックを使って狙いを定めたり、一定時間内にボタンを連打したりといったコマンド入力でダメージがアップする技もある。アクションコマンドを正しく入力できれば、戦闘をより有利に進められるのである。
また、フィールドの探索も面白い。フィールド探索ではジャンプやハンマーを利用するほか、先述した仲間キャラクターと力を合わせて活路を開いていくことになる。具体的には、空を飛べる「パレッタ」に通常のジャンプでは到達できない場所まで運んでもらったり、「レサレサ」のサポートを受けてマリオを透過しトラップをすり抜けたりといったことが可能だ。作り込まれたフィールドには謎解き要素も散りばめられており、戦闘と探索の両面から楽しめる。