『スーパー・ニンテンドー・ワールド』に見え隠れする、業界のトップランナー・任天堂の矜持

『スーパー・ニンテンドー・ワールド』に見え隠れする、業界のトップランナー・任天堂の矜持

 『スーパー・ニンテンドー・ワールド』の最新映像が12月18日、『スーパー・ニンテンドー・ワールド Direct』として公開された。

 本稿では、同エリアの誕生に見え隠れする、任天堂の想いと狙いを考えていく。そこにはゲーム界のトップランナーならではの矜持があった。

来年2月オープン、USJに誕生する任天堂のテーマパーク

 『スーパー・ニンテンドー・ワールド』は、来年2月4日『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』(以下、USJ)内にオープン予定の新エリアだ。バーチャルを主戦場としてきた任天堂の世界を、テーマパークというリアルな空間で再現した。内部には、『ハテナブロック』や『クッパ城』といった『スーパーマリオ』シリーズの世界を感じさせるアトラクションが多数存在し、来場者は、自身のスマホにダウンロードしたUSJのアプリと、エリア内で購入できる『パワーアップバンド』を連動させることで、これらを全身で味わえる。シリーズ誕生35周年を記念する、任天堂渾身の新コンテンツである。

 今回新たに公開された映像では、同社代表取締役フェローである宮本茂氏が、同エリアの一部を実際に体験しながら詳しく紹介した。ゲームさながらに再現された世界、遊び心あふれるアクティビティ体験、アトラクション以外のさまざまなショップコンテンツ。想像以上のエンターテイメント性に心躍らせたファンも多かったのではないだろうか。オープンまで残り1か月半を切り、今後はより詳細な情報の公開も予想される。『スーパー・ニンテンドー・ワールド』への期待感は高まるばかりだ。

“バーチャルとリアルの境界をなくす” 任天堂の取り組みから見える矜持

――『スーパーマリオ』の世界を、テーマパークに。

 任天堂による『スーパー・ニンテンドー・ワールド』のローンチは、「バーチャル」と「リアル」の境界をなくす画期的な取り組みだ。これまでゲームの中でしか触れられなかった世界は、同エリアを媒介してフィジカルでも体験できるものとなり、その体験を通じて得た価値がゲームの世界をより豊かなものへと変えていく。今回公開された最新映像で宮本氏は、『パワーアップバンド』にamiibo(※)の機能が備わっていると説明した。実際に『スーパー・ニンテンドー・ワールド』での体験を通じて、バーチャルでの遊びの可能性が広がるというわけだ。

 将来的には、訪問回数やアクティビティの達成状況などに応じて、ゲーム上でリワード(報酬)が付与される展開もあるかもしれない。付加価値の高いamiibo機能を持つ新たな『パワーアップバンド』が発売されれば、それを手に入れるために同エリアにファンが詰めかけるケースも想定し得るだろう。もはや任天堂のコンテンツは、「バーチャル」と「リアル」のどちらかにステージを限定するものではなくなりつつある。そこにゲーム分野のトップランナー・任天堂の矜持を感じるのは、私だけではないはずだ。

※現行の任天堂ハードと連動させることで、対応したキャラクターをゲーム内に登場させたり、特別なアイテムがもらえたりする玩具。

マリオカート ライブ ホームサーキット 紹介映像

 今年10月に発売となったNintendo Switch用ゲームソフト『マリオカート ライブ ホームサーキット』もまた、その軌道上に存在するタイトルである。目の前の風景がたちまち『マリオカート』の舞台となる同タイトルでは、子どもや猫などのゲーム内への予期せぬ乱入が、発売直後から大きな話題となった。体験を盛り上げるため、自室に新たなインテリア(特にシリーズと世界観を共有する任天堂の玩具)を追加したプレイヤーも少なからずいるに違いない。「バーチャル」と「リアル」の相関性においては、同タイトルの開発・リリースも『スーパー・ニンテンドー・ワールド』と同様のアプローチと言えるだろう。

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