『今日好き 赤い糸編』第3話ーーまるでお通夜……気まずすぎる“地獄の三者面談”の結末は?

『今日好き 赤い糸編』第3話レビュー


 一方、離島デート組のいくと×ありさはシーサーの色塗り体験に。ここでは、好きな異性のタイプや第一印象で気になった相手を教え合ったり、いくとがプレゼントしたシーサーに、「2ショットありがとう いくと」というメッセージを落書きするなど、なんとも微笑ましいやりとりだ。


 対して、同じ離島デートを満喫しつつも波乱の展開を迎える、はると×るな。はるとは改めて「もう俺はるなのことが、好き」と決意を固めたことをアピール。だが、肝心のるなは少し目線を逸らして微かに天を仰ぎ、わかりやすく顔を曇らせる。本来であれば、好きな人と結ばれるも同然なのだから、もっと喜んでいいはずだ。


 その表情を見て、すぐに何かを察したはると。「るなは他にやっぱりいるんだ。話したいというか、気になってる人が」と、急な心変わりに思えた彼女の心境をすでに心得ていたらしい。しばらくの間を置き、るなが打ち明けたのは、はるとのキモチがもう一度、るかに向いてしまう想像から生まれた「本音を言っちゃうと、不安なの……」という想い。魅力的な2人の女性の間で悩んでしまうのは仕方がないが、はるとは少し、るなを安心させるのが遅かったのかもしれない。


 そして、はるとの心を最も抉ったのが、るながりょうたとの“朝散歩”を思い返して発した「すごく楽しかったの」という一言。当時こそ2人して涙を流し、想いを通わせ合っていたはずなのに……。思うに、楽しい時間は往々にして一瞬に過ぎ、振り返った時に初めて“楽しかったな”と実感するものだが、るなにとって、それはりょうたの手作りおにぎりを笑顔で味わった、あの浜辺での出来事だったのだろう。

 すると立て続けに、はるとが次の言葉を言い淀んでいると、いくとが無邪気に「るなちゃん、2ショットいいですか?」と姿を現す。はるとは「大丈夫」とるなを送り出したが、明らかに“大丈夫”ではない落ち込みようだ。今回の旅では「空気が重い」など、時に正直すぎる感想を漏らしていたはるとだが、自分に自信がないことやその不甲斐なさを憂いて、「るなと過ごした沖縄の思い出とか、他の男子のところに行ったら忘れちゃうのかな」と、悔しさを滲ませる。気になるプレゼントを渡す前に、はるとは今からるなの想いを挽回していくしかない。頑張れ、はると。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

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