ゲームが国の“公共インフラ”に? 東南アジアで大人気のバトロワゲーム『Free Fire』とは

東南アジアで大人気のバトロワゲーム『Free Fire』とは

初心者でも気軽に参加できる!

 『Free Fire』は初心者でも成績を伸ばせるように工夫されている。

 実際にプレイしてみよう。まず筆者が感じたのは、エイム(照準)の合わせやすさである。

 銃で撃ち合うゲームだからどうしても照準を敵に重ねないといけないのだが、他のバトロワゲームではそれが初心者をふるいにかけている面が否めない。が、『Free Fire』の場合は自動補正とも表現すべき度合いで照準がピタリと合ってしまう。

 その上『Free Fire』は、展開が非常に早い。「10分で終わるバトロワゲーム」と銘打っているように、短時間で決着がついてしまう。時が経つと安全地帯が狭くなるのは他のタイトルと同様だが、その安全地帯で複数人の乱戦が起きやすくなるよう施されている。

 ちょっとした合間に参加でき、上位入賞や最後の生き残りになることも難しくない『Free Fire』。このタイトルは、既に国際大会の採用種目にもなっている。

国際大会も実施

 今年2月にファイナルが開催されたインドネシア大統領杯。種目タイトルは『ウイニングイレブン2020』と『Free Fire』だ。

 インドネシアが猛烈なコロナ禍に襲われたのは、この直後である。

 様々な分野の産業が低迷に見舞われる中、eスポーツは引き続き好調の伸びを示した。いわゆる「巣ごもり需要」がオンラインゲーム普及を後押ししているという事情もあるが、同時にeスポーツの選手が「祖国のスター」として見なされるようになったということも大きい。

 『Free Fire』で実績を挙げたプレイヤーが祖国の旗を背負い、大会に出場する。そのような時代が、既に到来しているのだ。

■澤田真一(さわだ・まさかず)
1984年10月11日生。フリーライター、グラップラー。各テクノロジーメディア、経済メディア等で多数執筆。
Twitter:@tech_sawada

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