Unreal Engineで絵本風アニメーションを制作 AnimatorSpaceTokyoで導入を試す実験も
Unreal Engineを導入したとはいえ、「すぐに使えるようになるわけでもなく、なかなか今やっている仕事を止めてやるのも難しい。既存のワークフローに導入するにしても難しく、柔軟にワークフローを開発する必要性が出てくる」と宇田。さらに「技術の実験ができる場を作りたいと思った」と述べた。
続けて東京・中野に設立したという「AnimatorSpaceTokyo」の概要が示された。宇田は「前から制作会社やクリエイターが最新のデジタル技術を実験できる場があったらいいのではないかと思っていた」と語る。「リモートワークができるような場所を作ったり、最初にワークフローを作る前にリアルで集まって、機材やソフトを触りつつ、プロジェクト単位やプリプロ段階の際に使ってもらえると良い」との構想だ。
また宇田は「自宅でどういう環境を整えるのかを誰に聞けばいいのか分からない人もいるかも思ったので、それが聞ける場にもなったら良い」とも補足。地方展開にも「京都や福岡といった都市からでも東京とシームレスでつながれるので、むしろやりたい形ではある」と言及した。
宇田は最後に「環境が変化する中で、今後、制作会社が成功するための考え方としては、必要なタイミングに必要な場所にいるということが重要。必要な場所に行って必要な人と会って、次のチャレンジにつなげられたらいいのではないか」と話を終えた。
■真狩祐志
東京国際アニメフェア2010シンポジウム「個人発アニメーションの15年史/相互越境による新たな視点」(企画)、「激変!アニメーション環境 平成30年史+1」(著書)など。