物理も学べる不朽の名作『カービィボウル』 四半世紀が過ぎても色あせない“神ゲー”の魅力に迫る

 ゲームの話題が多かった2020年も残り一ヶ月を切り、話題のトリは『桃太郎電鉄』の新作がかっさらっている。多くの人がプレイしたことある名作中の名作シリーズ。TVCMでも使われている「地理は桃鉄で覚えた」という言葉に共感した方も多いのではないだろうか。

 『桃鉄』をプレイしていると都市の位置関係や駅名になっている県庁所在地だけではなく、各地の特産品や名物とセットで記憶することができる。これらは中学受験の社会科目における基礎であり最初に立ちはだかる壁でもあり、まさに勉強に最適なゲームだ。

 ゲームはプレイヤーが興味を持って考えるため教育と相性がいいというのは今や有名な話だが、『桃鉄』はその始祖とも言えるだろう。

 前段が長くなったが、今回お話ししたいのは理科。とりわけ物理の教育となる不朽の名作、『カービィボウル』である。

 カービィボウルは26年前(マジか)に発売された、ビリヤードとゴルフを組み合わせたご存知スーパーファミコンの有名ゲーム。カービィを打ち出して壁や地面とのバウンドやコピー能力を駆使してゴールカップに入れることを目指す。


 カービィボウルがなぜ物理を学べるのか。

 カービィが壁にぶつかると等しい角度で跳ね返ってくる。これは物理の中でもとりわけ混乱しがちな入射角と反射角が等しくなる「反射の法則」に近く、これを体感できるのは素晴らしい(正確には反射の法則は波に対しての法則だが)。

 また空中に放てばカービィは放物線を描き、地面にバウンドした後は反発係数の影響によって減衰していく挙動までわかる。壁と地面の反発係数の違いは、とっつきやすいゲームとしての調整であろう。

 コピー能力も見逃せない。特にストーンとニードルは共に「止まる」能力でありながら、ストーンはその場で止まる一方、ハリネズミには慣性が働いて止まるのだ。徹底的に物理のゲームである。

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