TikTokが3分動画を限定でテストローンチ、ユーザーの反応を探る?
コンセプトが激変 「たかが3分間、されど3分間」
動画を1分間にすることで、クリエイター側としてはすべてがハイライトのような動画を作ることしかできないし、動画の構成や編集の専門知識のない一般ユーザーも、一発芸がハマれば、クオリティの高い作品が成立するというのは、作り手にとっての長所であり短所だ。結果としてそれは、動画が間延びすることを防ぎ濃密な1分となり、視聴者のエクスペリエンスを高める。
このコンセプトこそが、TikTokが中国の国境を超えて人気を博している理由だろう。これまでは、世界的にトレンドになっているものを模倣することの多かった中国で一際、個性が輝く存在と言える。従来、国際市場で優勢なアメリカ発のソーシャルメディアが、逆にTikTokを追いかける状況が生まれている。その傾向は、とりわけInstagramで顕著だ。TikTokはソーシャルメディアの未来を変えかねない程に、市場を大きく揺るがす存在だ。
3分間といえば、カップラーメンが作れて、ウルトラマンが地上で戦える時間でもあり、とても短い。しかし、この変化はTikTokの動画の特徴を変貌させるには、十分な尺の長さだ。たかが3分間、されど3分間。この仕様変更が吉と出るか凶と出るか、テストの行方を見守りたい。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。