ハイブリットバイク『glafit』の新モデルが登場 走行できる“場所”の変化とは?

ハイブリットバイク『glafit』の新モデルが登場 走行できる“場所”の変化とは?

『glafit』を待ち受ける「問題」とは

 ある時は自転車、ある時は原付。日本においては画期的な『glafit』という製品だが、懸念点もないわけではない。

 ひとつは「警察官の理解度」である。

 警察庁から全国各都道府県の警察へ『glafit』の情報は通知されるが、それが個々の警察官にすぐさま浸透するか否かは別問題である。正しい交通法規の下で『glafit』に乗っているのに、パトカーに呼び止められてしまった……ということが発生しないとも限らない。

 もうひとつは「警官ではない一般人の理解度」である。

 たとえば、『glafit』の駐輪区分は何なのか? これは普通自転車にも切り替えられる以上、自転車専用駐輪場にそれを置いても構わないはずだ。が、駐輪場を管理するスタッフや近隣住民がそれを理解しているのか……という理解の壁も存在する。新しい発想の乗り物ゆえ故に、そうした摩擦は避けられないだろう。

安全走行への配慮


 無論、安全走行を前提にした様々な措置や構造はしっかり施されている。

 まず、『glafit』の切り替え機能は走行中に操作できない。もしそれを可能にすれば、場面に応じて都合良く車両区分を変化させながら走る者が出てくるだろう。「車両進入禁止(軽車両を除く)」という道路標識がある道を、ノンストップで暴走することもできる。それを防ぐためには、一度降車しないと切り替え操作ができない仕組みにしなければならない。

 また、『glafit』のスタッフは異口同音に「実証実験の苦労」を口にした。

 実証実験とは、警察庁に対して安全性に関するエビデンスを積み重ねる作業だ。それは『glafit』に限らず、電動モーターバイクや電動アシスト自転車を開発するメーカーは必ずくぐらなければならない門である。そのため、此度の『glafit』の新モデルには人力自転車と電動モーターバイクの中間に位置する電動アシスト機能は搭載されていない。その際の車両区分を証明するエビデンスが、まだ不足しているからだという。

 このような乗り物は、深刻な事故がブランドそのものの終焉につながりかねない。だからこそ、『glafit』の開発陣は極めて慎重な歩みで着実に道を進んでいる。製造メーカーとして、これがあるべき姿ではないか。

 そういう意味でも、『glafit』の方向性は大いに支持できるものだ。この製品には、今後も期待をかけ続けるだけの価値が含まれている。

【参考】
glafit

■澤田真一(さわだ・まさかず)
1984年10月11日生。フリーライター、グラップラー。各テクノロジーメディア、経済メディア等で多数執筆。
Twitter:@tech_sawada

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