『ALTDEUS: Beyond Chronos』郡陽介×高橋邦幸(MONACA)対談 “ストーリーに寄り添う音楽”の作り方を考える

『アルトデウス:BC』音楽制作陣対談

自然に聴ける音楽があるから、特別な場面での音楽が引き立つ

ーー 初のVRゲームの楽曲制作でしたが、アニメやVR以外のゲームの楽曲制作と比較して違いを感じる点はありましたか?

高橋:アニメやゲーム音楽のつくり方と違いがあるかもしれないと身構えていましたが、つくってみると特に変わりはないかなと。

 ただ、実際にプレイして感じたのは、音楽が環境音として溶け込んでいるなと。VRは自分がゲームの世界に入っている感覚が強いからなのか、音楽が引いて聴こえる。空間と音が一体になっている感じというか。個人的には会話をボタン操作で進めるよりオートで見ている方が、自然で気持ち良く感じました。

郡:プレイヤーがキャラクターのドラマや感情を受けてどれくらいのリズムで進めるかはそれぞれですが、会話のテンポを含めて全体のバランスを調整しているので、オートプレイでも楽しめるかもしれません。

 また、高橋さんのおっしゃるように空間と一体となって自然に感じる音楽がある一方、一番ドラマが盛り上がっているときにだけ流れる音楽も多くあります。自然に聴こえる音楽があるからこそ、バトルなどの重要なシーンで盛り上がることができる音楽を高橋さんは意図的ににつくっていただいています。

高橋:それこそオーダーをいただいた10曲はドラマが盛り上がるよう、シーンにフォーカスしている曲なので、味が濃いめなんですよね。逆に追加した2曲は味ちょい薄めだから、自然と聴いてもらえそうだなと思っています。

郡:味薄めの2曲はかなり多用している気がします(笑)。とても良い汎用曲で、『アルトデウス: BC』の世界観にフィットしているんですよ。

高橋:何も事件が起きていないときに流れる「味ちょい薄め」の音楽を追加したことで、作品全体の雰囲気を作る郡さんの曲とシーン合わせの僕の曲がちゃんと繋がった気がします。特に、最初のバトルが終わった後の祝勝会シーンで使っていただいて「これはハマった……!」と思いましたね(笑)。

ーー 最後に、『アルトデウス: BC』の音楽で特に注目してほしいポイントを教えてください。

郡:まず「マシンアクションパート」では全曲カロリー高めでありながら、毎回テーマの違う曲が流れます。クールな楽曲、殺意高めの楽曲、葛藤を感じる楽曲、電子的なライブ曲など、どのバトルも音楽で楽しみ方が変化するはずです。なので、音楽を含めてバトルを楽しんでほしいです。同じようにストーリーのエンディングによってもテーマ曲を変えています。最後の感情に合わせたエンディングテーマを用意しているので、注目してほしいと思います。

 あとは、とにかく高橋さんの曲を聴いてほしいですね(笑)。

高橋:(笑)。僕は、『アルトデウス: BC』の世界観を音楽から自然と感じてほしいですね。「この作品の世界に入ったらおそらく自分の頭の中で鳴っているであろう音楽だ」と、プレイしたみなさんに感じてもらえる曲になっていると思います!

■作品情報
『ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンド クロノス)』
ジャンル:VRインタラクティブストーリーアクション
対応プラットフォーム:Oculus Quest Oculus Rift and more
発売日:2020年12月4日
プレイ人数:1人
価格:未定

〈キャスト〉
クロエ:CV.鬼頭明里
コーコ:CV.奥野香耶
ノア:CV.花守ゆみり
アニマ:CV.石川由依
ヤマト:CV.小林裕介
アオバ:CV.荒牧慶彦
ジュリィ:CV.芹澤優
デイター:CV.速水奨

〈スタッフ〉
監督:柏倉晴樹
キャラクターデザイン:LAM
シナリオ:小山恭平 / カミツキレイニー / 高島雄哉
メカデザイン:I-IV
音楽:郡陽介 / 高橋邦幸(MONACA) / kz(livetune)

公式HP
公式ツイッター
公式YouTubeチャンネル

 

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる